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【1分解説】域外適用とは?

石附 賢実

  音声解説

域外適用とは、一国の法律や政策が自国の領域を超え、外国の企業や個人にも直接的な義務や影響を及ぼすことを指します。

最近の例として、トランプ政権による反DEI(Diversity, Equity and Inclusion)政策が挙げられます。米国政府と取引する外国企業にも「DEI禁止」への同意が求められるとされます。例えば、欧州企業が米国政府案件を受注する際、欧州の法令や慣行と米国の要求が衝突する場面が考えられます。

もう一つの事例として、米国のFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)が挙げられます。FATCAは、米国外の金融機関や一定の非金融法人に対し、米国納税義務者(米国市民や居住者など)の口座情報を米国税務当局(IRS)へ報告することを義務付けています。これに従わない場合、米国源泉の配当や利息などの支払いに対して30%の源泉徴収が課されるなど、強力な制裁が設けられています。

欧米など、域外適用に積極的な国・地域への規制違反は、巨額の制裁金やレピュテーションリスクにつながりかねません。グローバルに展開する企業は、自社の事業や取引がどの国の法令の適用を受ける可能性があるかを常に把握し、社内ルールやコンプライアンス体制を整備することが不可欠です。

この解説は2025年7月時点の情報に基づいたものです。

石附 賢実


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。