- HOME
- レポート一覧
- ビジネス環境レポート
- 公立学校に増える日本語で学べない子どもたち(2)
- 人口減少時代の未来設計図
-
2025.04.24
SDGs・ESG
外国人
公立学校に増える日本語で学べない子どもたち(2)
~多文化共生社会の基盤となる日本語教育を~
宍戸 美佳
- 要旨
-
- 日本語指導が必要な児童生徒が在籍する公立学校では、その多くで「特別な配慮に基づく指導」を行っている。また、「特別の教育課程」による指導を実施している学校もある。特別の教育課程による指導のうち、JSLカリキュラムを活用しているのは小学校で2,654校、中学校で1,141校と、指導内容として最も多い「日本語基礎」を実施する学校の半分程度に留まっている。
- 特別な配慮に基づく指導を行っていない理由などから、①日本語指導ができる教員の不足、あるいは指導を支えるリソースが不足している、②公立学校の教員に負担が偏っており、重くのしかかっている、および③日本語指導が必要な児童生徒の発生を予測することが難しい、という3つの課題が見えてくる。
- 課題3点を踏まえると、教育現場に対する支援として、JSLカリキュラムを最大限活用するための体制づくり、オンライン授業の活用、個別指導計画立案時の支援、および地域との連携強化に向けた支援が求められる。
- 2070年には日本の総人口は8,700万人、6-18歳の子どもの数も727万人になるとされる。一方、外国籍の人口は増加し939万人、6-18歳の外国籍の子どもは62万人となり、同年齢区分に占める割合は8.58%に高まると推計されている。外国籍の子どもたちがすべて公立学校で学ぶとは限らないが、2070年の公立学校では、現在よりもはるかに多様なバックグラウンドを持つ児童生徒が共に学んでいるだろう。これは子どもたちが多様性を理解し、受け入れる上でポジティブな影響をもたらす。しかし、集団教育において日本語能力が不足している児童生徒の増加は、他の児童生徒の学習に影響を与える可能性もある。さらに、日本語能力が不足していることで、集団教育から脱落し、より広い社会からも取り残されるリスクもある。なにより子どもたち自身が望む生き方の選択肢を狭める。
- 教育現場における日本語指導の充実は、さまざまなバックグラウンドを持つ児童生徒が共に楽しく学べるという多文化共生の実現の基盤としてその重要性が一層高まる。
1. はじめに
本稿では、前編から引き続き、人口減少により日本の児童生徒数が減少する中で、教室に増える日本語指導が必要な児童生徒に対して、学校において授業中や放課後にどのような指導や補講を行っているのか、その状況を確認する。そして、そうした指導の状況から見えてくる課題を特定するとともに、解決の方向性を考察する。
2. 日本語指導が必要な児童生徒への対応状況
前編では日本語指導が必要な児童生徒の集住・散在化が進展している現状を確認した。本稿では、そうした状況が教育現場に様々な課題をもたらしていることを、文部科学省の調査結果から見ていく。ただし、集住と散在化では、それに伴う課題が異なると考えられるため、特に課題が大きい散在化という視点から考察する。
(1)日本語指導が必要な児童生徒に対してどのような指導が行われているか
まず教育現場の対応について確認する。文部科学省の調査結果によれば、日本語指導が必要な児童生徒が在籍する公立学校(注1)では、その多くで「特別な配慮に基づく指導」を行っている。
資料1は公立学校のうち、日本語指導が必要な児童生徒の大半が在籍する小学校、中学校および高等学校での指導状況を示したものである(2023年)。小学校では、日本語指導が必要な児童(外国籍)が在籍する学校6,349校のうち、5,952校(93.7%)で特別な配慮に基づく指導を行っている。このうち4,090校(64.4%)では日本語指導における「特別の教育課程」による指導を実施している。同様に、中学校については2,831校のうち2,623校(92.7%)で特別な配慮に基づく指導を行い、1,740校(61.5%)で特別の教育課程による指導を行っている。他方、高等学校では、558校のうち459校(82.6%)で特別な配慮に基づく指導を行っているものの、特別の教育課程による指導は31校(5.6%)のみである。

この特別な配慮に基づく指導とは、文部科学省の調査では「在籍学級や放課後を含む、学校で何らかの日本語指導等が行われていれば該当する」と定義している。つまり、教材等が提供されていない各学校における自主的な努力による取組みが含まれることがうかがえる。他方、特別の教育課程による指導は、「児童生徒が学校生活を送る上や教科等の授業を理解する上で必要な日本語の指導を、在籍学級の教育課程の一部の時間に替えて、在籍学級以外の教室で行う教育の形態」としている。この特別の教育課程による指導は、小学校や中学校といった義務教育で実施されるが、2023年度からは、高等学校、中等教育学校(後期課程)、および特別支援学校(高等部)においても、その編成・実施が可能となっている。このため、高等学校において特別の教育課程による指導の実施校が少ない理由は、この変更に未対応の学校もあることによると推測される(前掲、資料1)。
なお、特別な配慮や特別の教育課程による指導以外にも、小学校および中学校では年齢相当の学年より一時的に下学年に受け入れる、年齢相当の学年より正式に下学年に受け入れる、あるいは学齢を超過してから受け入れるといった対応も取られている。例えば、小学校のうち外国籍児童の在籍校では、522校(8.2%)で正式に下学年で受け入れていることが報告されている。
(2)特別な配慮に基づく指導、および特別の教育課程とは何か
特別な配慮に基づく指導、および特別の教育課程について、小学校および中学校における状況をより詳しく見てみる。資料2は、小学校および中学校における特別な配慮に基づく指導の内容について、各学校が複数回答した結果を示している。小学校、中学校とも、「日本語基礎」に次いで「教科の補習」が最も多い。この「日本語基礎」に加え、「サバイバル日本語」および「技能別日本語」については、文部科学省が策定した「外国人児童生徒受入れの手引き」に概要が紹介されている(注2)。しかし、教材は提供されておらず、学校において個別の指導計画を作成するなどして、学習内容を選択するよう求めており、対応が現場に委ねられている。
他方、「日本語と教科の統合学習」とは、日本語を学ぶことと教科内容を学ぶことを一つのカリキュラムとして構成するものと定義され、「JSLカリキュラム」(注3)と別称される。JSLとはJapanese as a second language の略語であり、日本語を母語としない子どもたちの、日常会話はできても学習活動に参加するための日本語力が不足している問題に対処するため、文部科学省が策定した学習プログラムである。本稿では詳細は割愛するが、カリキュラムの基本的な理念に始まり、具体的な指導項目や教材、授業展開例などが網羅的に提供されている。だが、このJSLカリキュラムを活用しているのは小学校で2,654校、中学校で1,141校と、いずれも最も多い「日本語基礎」を実施する学校の半分程度に留まっている。

(3)特別な配慮に基づく指導が行われていない理由と、そこから見えてくる課題
前項まで、日本語指導が必要な児童生徒(小学校、中学校および高等学校)の大半に対して、何らかの日本語指導が行われていることを確認した。
一方で、特別な配慮に基づく指導や特別の教育課程による指導を行っていない学校もある。例えば、特別な配慮に基づく指導を行っていない学校は、外国籍の小学校児童在籍校では397校、日本国籍の小学校児童在籍校では228校ある。
資料3は、日本語指導が必要な児童生徒に対して、特別な配慮に基づく指導を行っていない理由、および国への要望を自由記述方式で回答した結果である。自由記述方式であることから、寄せられた回答がすべての学校の実情に当てはまるわけではないだろう。しかし、こうした学校現場の切実な声からまず課題を特定したい。
① 日本語指導ができる教員、指導を支えるリソースの不足
「日本語指導の教員がいない」「個別に対応するための人材が不足している」といった回答から、1点目の課題として、日本語指導ができる教員の不足、あるいは指導を支えるリソースの不足があげられる。とりわけ新たな日本語指導が必要な児童生徒の発生を含む、児童生徒の散在化の進展という現状に対して、専門人材の育成や配置が十分に追い付いていないのではないだろうか。
② 公立学校への負担の偏り
次に、国への要望という質問に対する回答のうち、「外国にルーツをもつ児童生徒が近年増加しているが、本市では、日本語のプレスクール等は設置できておらず、現場の先生方の負担が増加している現状である。各自治体や地域に NPO 法人などと連携したプレスクールの設置が望まれる。」という記述からは、公立学校の教員に負担が偏っており、重くのしかかっているという2点目の課題が存在するのではないか。1点目の課題と同様に日本語指導が必要な児童生徒の散在化の進展により、地域社会での受け皿の整備が追い付いていないことと表裏一体であろう。
③ 日本語指導が必要な児童生徒の発生の予測の難しさ
他方で、「学校現場から日本語指導が必要との判断があった場合、予算面・人的配置面の両面からの柔軟な支援を行ってほしい」との回答は、上記2点の課題の一方で、3点目の課題である日本語指導が必要な児童生徒の発生の予測の難しさを示唆しているのではないだろうか。文部科学省の調査項目にはこの課題の存在を直接的に裏付ける質問は含まれていないが、未成年である児童生徒には、その保護者の事情により、学期中の急な転居等が発生することも考えられる。こうした場合、学校側からすれば、急な受入れを求められる、あるいは逆に指導していた児童生徒が急にいなくなってしまい、指導が不要となる可能性も考えられる。

次に、特別な配慮に基づく指導のなかでも、特別の教育課程による指導を実施していない理由を小学校および中学校について見てみることで、先に指摘した課題が妥当であるか検証したい(資料4)。
小学校、中学校とも「日本語と教科の統合的指導を行う担当教員がいないため」、また「日本語指導における「特別の教育課程」で行うための教育課程の編成が困難であるため」との回答が最も多い。この調査結果も課題1点目の教員の不足、あるいは指導を支えるリソースの不足を示しているのではないか。加えて、日本語と教科の統合的指導、すなわちJSLカリキュラムが策定・提供されているにも関わらず、これを教えられる先生が不足していることが、教育現場での活用につながらないという結果をもたらしていると言えよう。この点は、資料2の「日本語と教科の統合的指導を行っている学校が「日本語基礎」の実施校の半分程度に留まっているという定量的な調査結果にも表れている。

ここで「拠点校への通級などのための学校間の連携体制が整っていないため」と回答した学校が、小学校で629校、中学校で335校あるという調査結果に少し目を向けてみたい(注4)。
文部科学省の調査には、地方公共団体の教育委員会に対する質問も含まれるが、まず、2023年時点で管下に国籍を問わず日本語指導が必要な児童生徒が1名以上在籍している学校がある、と回答したのは調査対象の全1,788団体のうち1,080団体あった(すべての学校種別合計)。このうちおよそ半数の570団体では、在籍校数が4校以下であった(すべての学校種別合計)。他方、2023年時点で「拠点校」を設置していると回答したのは1,788団体のうち273団体であった。
上記の570団体のような地方公共団体では、拠点校を常設して対応にあたるほど日本語指導が必要な児童生徒が在籍していないことも、未設置の理由として考えられるだろう。言い換えれば、散在化の進展により、各地に児童生徒の在籍が広がっているものの、教育委員会として常設して集約するほうがよいという状況には至っていない、との判断だと推測される。だが、拠点校がないことから特別の教育課程による指導を実施していない、という教育現場の回答を見ると、背景にあるのは、やはり教員の不足、あるいは指導を支えるリソースの不足という1点目の課題であろうと指摘したい。
3. 多文化共生に向けて学校現場への支援を
ここまで日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の現状と、そこから見えてくる課題3点を確認した。本章では、それらを踏まえて教育現場に求められる支援について考察したい。
(1) JSLカリキュラムを最大限活用するための体制づくり
今回確認した調査結果によると、日本語指導が必要な児童生徒に対する日本語指導は、各学校の裁量に任されているケースが多いといえる。このため、日本語指導が必要な児童生徒の指導を初めて行う場合など、対応のノウハウがないことで、教員の尽力にもかかわらず児童生徒の日本語能力が十分に向上しないことも考えられる。だが、前章で確認したとおり、網羅的に日本語能力を指導できるJSLカリキュラムがすでに策定・提供されている。したがって、このカリキュラムが最大限に活用されるべきではないだろうか。これにより指導の質を向上させることが期待できるし、また教員が効率的に指導することも可能であろう。ただし、前章で確認したとおり、JSLカリキュラムを使用する小学校および中学校が「日本語基礎」を実施する学校の半分程度に留まっているという状況の真因を探る必要はあるだろう。そもそもカリキュラムの認知度が低い、指導するのに専門知識が必要で簡単には教えられない、児童生徒の日本語能力に照らせば「サバイバル日本語」など他の指導が優先される、などが考えられる。そこで本稿では、JSLカリキュラムは詳細で専門的な内容を含むため、通常の教科指導を行いながら対応することは、教員の負担が非常に大きいのではないか、との仮説に立ち、JSL教材を一括提供する一方で、その多様な利用法に関するガイドラインを作成・配布することを提言したい。さらに、JSL指導に特化した研修プログラムを開設して教員の指導力を強化することや、オンラインプラットフォームを整備し、JSL指導に関する情報共有や相談ができる環境を構築することも重要である。また、定期的にウェビナーやオンライン研修を開催し、最新の指導法や事例を紹介することによって、現場の教員の負担軽減とスキル向上を図るべきである。これに加えて、JSLに精通した指導員を養成し、必要な学校に定期的に派遣し、学校のニーズに応じたサポートを提供することも必要である。
日本語指導が必要な児童生徒の散在化が進展する中で、1点目の課題である日本語指導ができる教員の不足、あるいは指導を支えるリソースの不足に対しては、JSLカリキュラムを最大限活用することで専門の教員でなくても指導できる体制を構築する一方で、日本語指導に精通した教員を育成するという両面で対応することが有効ではないだろうか。これにより、日本語指導が必要な児童生徒の発生を予測することが難しいという3点目の課題に対しても、ある程度対応していくことが可能だろうと考える。
(2) オンライン授業の活用
前項で述べたJSLカリキュラムや「サバイバル日本語」を始めとしたプログラムをオンラインによる集合授業で行うことも考えられる(注5)。前章で「拠点校」を設置している地方自治体が273団体であったことを述べたが、こうした拠点校を正式に設置しなくても、より緩やかに、バーチャルに連携して指導していくことで、課題の1点目と3点目に対応できるのではないかと筆者は考える。
(3) 個別指導計画立案時の支援
現在、それぞれの児童生徒に合わせて個別指導計画を各学校で一から策定している。これを、前項で触れたJSLカリキュラムを軸にしたモデル計画に基づき、各児童生徒に合わせて調整するという方法で個別指導計画が策定できるようになれば、(2)と同様に課題の1点目と3点目に対応できると考える。また、この計画立案のためのツールやガイドラインの提供が考えられるだろう。
(4) 地域社会との連携強化に向けた支援
最後に、文部科学省が示す「日本語指導担当教師」(注6)の4つの役割(資料5)を、教育現場への支援という視点で改めて見てみたい。
日本語指導担当教師には、児童生徒の日本語能力に応じた個別指導、他の教科担当教師との連携、学校全体での理解促進、保護者や地域社会との連携の4つの役割が期待されている。このうち地域社会との連携とは、学校のみならず地域社会の取組みを活用しながら児童生徒に指導していくことを意味すると筆者は捉えたい。こうした見方に立てば、地域のNPOやボランティアグループが開設する日本語教室の活用や、地域住民にも日本語教室の運営を支援してもらうなどして、児童生徒が学校外でも日本語を学ぶ機会を増やすことが考えられる。図書館やコミュニティセンターなど地域の公共施設と協力して日本語指導や課外活動を実施することも考えられるだろう。あるいは、そもそも地域社会との連携が構築できていない場合には、そうした連携構築の支援も必要であると考える。このように地域社会とともに対応していくことが、公立学校の教員に負担が偏っており、重くのしかかっているという2点目の課題の解決に繋がっていくのではないか。さらには、このあと触れる多文化共生の実現に繋がっていくと考える。なお、本稿では詳しく取り扱わないものの、とりわけ外国籍の児童生徒の場合には、その保護者などの家族にも日本語教育が必要な可能性がある。地域社会との連携を検討していく際の重要な視点となることを指摘しておきたい。

4. おわりに ~12人に1人が外国籍の子どもとなる未来に向けて
在留外国人数は2024年12月末に377万人と過去最高を記録し、今後も増加が予想される。それに伴い、公立学校で学ぶ外国籍の子どもたち、および日本語指導が必要な児童生徒数も増加し続けるであろう。さらに、様々なバックグラウンドを持つ児童生徒が日本語指導を必要とするケースも現在より増加すると予測される。
このような多様な背景を持つ児童生徒の増加は、子どもたちが多様性を理解し、受け入れる上でポジティブな影響をもたらす。しかし、集団教育において日本語能力が不足している児童生徒の増加は、他の児童生徒の学習に影響を与える可能性もある。さらに、日本語能力が不足していることで、集団教育から脱落し、より広い社会からも取り残されるリスクがある。言葉が分からなければ社会のルールを学ぶことも難しく、結果としてそのルールを守れず、社会から分断される原因ともなる。なによりも子どもたち自身が望む生き方の選択肢を狭めるのではないだろうか。したがって、教育現場における日本語指導の充実と、これによりさまざまなバックグラウンドを持つ児童生徒がともに楽しく学べるという多文化共生の実現は、ますます重要な課題となるであろう。
最後に、将来の推計人口について確認したい。資料6は2020年の国勢調査を基にした2021年から2070年までの将来人口推計である。それによると、日本の総人口は減少し、2070年には8,700万人になると予測されている。本稿で取り上げている6-18歳の子どもの数も減少し続け、2070年には727万人になるとされる。一方、外国籍の人口は増加し939万人、6-18歳の外国籍の子どもは62万人となり、同年齢区分に占める割合は8.58%に高まると推計されている。言い換えれば12人に1名が外国籍の子どもになる。

こうした外国籍の子どもたちがすべて公立学校で学ぶとは限らない。しかし、2070年の公立学校では、現在よりもはるかに多様なバックグラウンドを持つ児童生徒が共に学んでいるであろう。教育現場での対応の重要性は、多文化共生の基盤として一層高まると考えられる。適切な日本語指導と支援の強化が、多文化共生社会の実現につながることを期待したい。
筆者は、多文化共生は本来、社会を豊かにするものであると考えている。日本におけるその基盤のひとつは日本語であり、未来を担う子どもたちがその言語を学ぶ機会を充実させることが、人口減少下においても社会を豊かにすることにつながると信じている。
【注釈】
-
文部科学省が実施した調査の対象は、小学校、中学校、高等学校、義務教育学校、中等教育学校および特別支援学校。
-
「日本語基礎」、「サバイバル日本語」および「技能別日本語」の概説は以下のとおり。
「日本語基礎」とは、文字や文型など、日本語の基礎的な知識や技能を学ぶためのプログラム。(A)発音の指導、(B)文字・表記の指導、(C)語彙の指導、(D)文型の指導の4つ、としている。
「サバイバル日本語」とは、日本の学校生活や社会生活について必要な知識や日本語を使って行動する力を付けることを目的としたプログラム。トイレや自分の体調、アレルギーなど健康・衛生に関する語彙・表現、交通安全に関するルール、基本的な挨拶や人間関係作りに役立つ語彙・表現、そして教科名や教室・施設名を始めとする学校生活に必要な語彙・表現の習得が中心。
「技能別日本語」とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの技能のうち、どれか一つに焦点を絞った学習を指す。小学校高学年以上、特に中学生には、有効なプログラムであるとしている。 -
JSLカリキュラムについては宍戸美佳(2024)「【1分解説】JSLカリキュラムとは」を参照。
-
一定域内の日本語指導が必要な児童生徒について、「日本語指導拠点校」として指定された学校に通級してもらい、初期段階の日本語教育や適応指導教室、日本語・教科統合指導などの授業を実施しているもの。あるいは、日本語指導拠点校の担当教員が、当該校での指導に加えて巡回指導を行う場合もある。本文中後段では2023年時点で拠点校を設置していると回答した地方公共団体は273団体と述べているが、このうち前者に該当するのが122団体、後者が151団体。
-
文部科学省の調査において、「日本語指導担当教員が配置されていない学校において、ICT等を活用した遠隔教育を実施している」と回答した地方公共団体は1,788団体のうち44団体。
-
「日本語指導担当教師」とは、外国人児童生徒等に直接かかわり、その日本語指導を中心的に行う教師。専任の教師が配置されている場合もあれば、学級担任や市町村などから派遣される日本語指導の支援者がこの役割も担うことがあるとされている。また、日本語指導の支援者とは、学校において日本語指導の支援を行う外部人材を指す。2023年時点では、全国で7,837名が配置されており、ボランティアが最も多く2,697名、次いで地方公務員法に基づく非常勤の一般職員(会計年度任用職員)が2,413名となっている。
【参考文献】
-
文部科学省(2024)「令和5年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について」
-
文部科学省(2021)「外国人児童生徒等教育の現状と課題」
-
文部科学省(2024)「令和5年度外国人の子供の就学状況等調査結果について」
-
文部科学省「「特別の教育課程」による日本語指導の位置づけ」
-
文部科学省(2019年3月改訂)「外国人児童生徒受入れの手引き」
-
文部科学省「JSLカリキュラム開発の基本構想」
-
宍戸美佳(2024)「公立学校に増える日本語で学べない子どもたち(1)~「日本語指導が必要な児童生徒」の「集住・散在化」の実態とは~」
宍戸 美佳
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

