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- 不就学の外国人の子どもたち
- 要旨
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- 文部科学省の調査によれば、2023年時点で、学齢相当の外国籍の子どもの0.6%が義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍していない不就学であり、その可能性のある子どもまで広げると8.3%が該当する。
- 不就学およびその可能性のある外国籍の子どもの割合は都道府県により異なり、この割合が10%を超える都道府県は、東京都(14.3%)、山口県(13.4%)、大阪府(13.2%)、北海道(13.1%)、沖縄県(11.7%)および高知県(10.7%)と全国で6つある。このうち北海道では義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍していない不就学の割合が全国で最も高い水準にある。ただし、この不就学とは、行政が保護者や子どもとコミュニケーションをとることができ、かつ確認の結果として把握できているケースと述べることもできる。
- 各市区町村は住民登録手続き時や行政サービスの機会、不就学の子どもの状況把握など、様々な機会を捉えて就学促進の取組みを実施している。今回の調査結果からは、不就学およびその可能性のある子どもの割合を低下させるのに顕著に効果がある取組みを特定することは難しいと結論づけられる。その理由のひとつに、不就学およびその可能性のある子どもには、行政がコミュニケーションを取れない、あるいは居所不明を含めた「状況が把握できない子ども」が含まれることがあげられる。
- 仮に不就学が、どのような形態の教育も受けないという保護者あるいは子どもの意思表明であるとすれば、教育は子どもの健全な成長や能力の発達に不可欠であるとの基本的な考え方に立ち戻って、そうした「不就学」はなくして行かなければならないだろう。そのためには、まずは外国人との様々な接点の機会を捉えて情報提供し、子どもの教育の重要性や日本の学校での学習、学校生活の魅力について伝え、理解してもらうことが大切なのではないか。
- 「不就学」をなくし、すべての子どもたちが学びの機会を得られるようにするためには、行政だけでなく、企業や地域のコミュニティを含む地域社会内の連携が不可欠であると考える。
- 目次
1. はじめに
当研究所では2025年に、「人口減少時代の未来設計図~社会・経済、そしてマインドの変革~」をテーマに、人口減少がもたらす課題のリサーチを強化していく。今回、文部科学省が実施した学齢相当(注1)の外国籍の子どもたちの就学状況についての調査結果を確認するとともに、不就学の子どもを減らす施策の方向性を考察する。
2. 不就学の子どもたちの現状
在留外国人の子どもたち(以下、外国籍の子どもたち)については、その保護者が日本の義務教育に就学させる義務はない。しかし、国際人権規約を批准している日本は、国籍の区別なく、すべての子どもに教育を受ける権利を保障している。在留外国人が、その子どもを公立の小学校や中学校といった公立義務教育諸学校へ就学させることを希望する場合には、子どもは日本人と同様に無償で通学することができ、日本人児童生徒と同一の教育を受ける機会が保障されている。
こうした外国籍の子どもたちのうち、学齢相当の子どもの数は、2023年時点で150,695名となっている(注2)。資料1はそうした子どもたちの就学状況について、文部科学省が実施した調査結果を示したものである。

この内訳を見ると、小学生に相当する子どものうち、義務教育諸学校および外国人学校(注3)に通学しているのは98,251名(92.2%)、中学生に相当する子どもでは39,981名(90.5%)である。他方、義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍していない「不就学」の子どもは、小学生相当で0.6%、中学生相当で0.7%、子ども全体では0.6%と報告されている。これを不就学の可能性のある子どもまで含めると、それぞれ8,274名(7.8%)、4,160名(9.4%)となり(注4)、学齢相当の外国籍の子ども全体で見ると、8.3%の子どもに不就学およびその可能性があることになる。
資料2は、不就学およびその可能性のある子どもの割合を都道府県別に示したものである。この割合が10%を超える都道府県は、東京都(14.3%)、山口県(13.4%)、大阪府(13.2%)、北海道(13.1%)、沖縄県(11.7%)および高知県(10.7%)と全国で6つある。東京都と大阪府は学齢相当の外国籍の子どもの人数が多く(全国1位と5位)、ともに「就学状況が把握できない」という回答が最も多い。一方で、不就学はそれぞれ0.2%、0.1%と非常に低い水準にある。これに対して、北海道は不就学およびその可能性のある子どもの割合が13.1%と東京都に次いで高いが、このうち不就学の割合が9.5%と全国で最も高い水準にある。ただし、この不就学とは、行政が保護者や子どもとコミュニケーションをとることができ、かつ確認の結果として把握できているケースと述べることもできる。この点は、次章で更に考察する。

なお、東京都に次いで学齢相当の子どもが多い愛知県、神奈川県および埼玉県では不就学およびその可能性のある子どもの割合は5-8%程度と、いずれも全国平均並みかそれを下回る水準となっている。
以上のような学齢相当の子どもの就学状況を踏まえて、次章では各市区町村がどのような就学促進に係る支援を行っているのか見ていく。
3. 各市区町村による就学促進に係る取組み
各市区町村では、学齢相当の子どもの保護者に対して、さまざまな機会を捉えて就学案内や就学促進を行っている。本章では文部科学省の調査の対象となった具体的な取組みを3つに大別して内容を確認するとともに、取組みの有無により不就学およびその可能性のある子どもの割合に差異があるのか、また差異があるとすれば、その要因は何か、考察したい。
① 住民登録手続きの際の就学に関する説明
資料3は住民登録という、ある市区町村に居住し始める際の、恐らく最初の行政との接点での説明状況を示したものである。全国のすべての市区町村1,741のうち、「就学希望の有無に関わらず、すべての者に就学に関する説明を行っている」と回答した市区町村が最多の59%(981団体)、就学希望があった場合には説明するという回答と合わせると、およそ98%(1,628団体)が住民登録手続き時に就学に関する説明を実施している。

② 行政サービス提供の機会を活用した就学促進
資料4(左図)は、様々な行政サービスの提供機会に合わせた、就学促進の取組み状況を示したものである。46%にあたる807の市区町村が何らかの取組みを行っていると回答している。具体的な取組みを見ると、乳児期から複数回にわたって実施される健診や予防接種の機会を活用した情報提供が最も多く(346団体)、就学ガイダンス(235団体)の実施や、相談窓口を設置している市区町村もある(219団体)。なお、プレクラス・初期指導教室およびプレスクール(注5)を通じた就学促進は、学齢相当の子どもが500名以上在籍する市区町村を中心に実施されている。
では、こうした就学促進の取組みの有無により、不就学およびその可能性のある子どもの割合に差異はあるのだろうか。資料4(右図)のとおり、学齢相当の子どもが在籍する市区町村で比較すると、就学促進を行っている市区町村(643団体)と、就学促進を行っていない市区町村(617団体)について、不就学およびその可能性のある子どもの割合を見てみると、前者が8.50%、後者が7.28%と、就学促進を行っている市区町村のほうが1.22%ポイント上回っている(2023年)。

③ 不就学の子どもに関する就学状況の把握
最後に、就学状況が不明、または不就学の子どもの就学状況の把握および就学促進の取組みについて確認する。不就学の子どもに関する就学状況の把握および就学促進を行っていると回答した市区町村は896団体ある(資料5左図)。具体的に、就学案内を継続送付する(512団体)以外にも、電話や訪問による個別確認や就学勧奨といった一歩踏み込んだ対応を行っている市区町村もそれぞれ512団体、527団体ある。こうした取組みを実施している市区町村における不就学およびその可能性のある子どもの割合は7.89%である一方、実施していない市区町村では10.57%と、②とは異なり、実施している市区町村のほうが2.68%ポイント下回っている。

以上の①から③のとおり、各市区町村では、学齢相当の子どもの保護者に対してさまざまな機会を捉えて就学案内や就学促進を行っていることが確認できる。しかし、今回の調査結果からは、不就学およびその可能性のある子どもの割合を低下させるのに顕著な効果がある取組みの特定は難しい。その理由のひとつには、冒頭に記載した東京都や大阪府のように、不就学およびその可能性のある子どもの中でも就学状況が把握できない(前掲資料1)、言い換えれば行政がコミュニケーションを取ることができない、あるいは居所が分からない子どもが多く含まれている、という実態があろう。転居・出国(前掲資料1)についても、出国者も多く含まれるが、国内転居の後に不就学状態になっている子どもも含まれている可能性があると調査では指摘している。こうした行政がコミュニケーションを取れない、あるいは居所不明を含めた「状況が把握できない子ども」(注6)の割合は、学齢相当の子どもが多い都道府県において比較的高い。この点については、子どもたちが教育を受けていない可能性があるという懸念に加えて、日本に中長期間在留する外国人の在留状況を継続的に把握するという観点からも課題があると言わざるを得ないのではないか。本レポートではこの在留管理上の課題については本論から外れるため取り上げないが、子どもだけ居所が分からない、というケースは考えにくく、そうした居所が分からない子どもが存在するということは、居所の分からない保護者が存在するという課題を指摘しておきたい。
また、学齢相当の子どもが増加する中、新たに在籍する市区町村もあれば、保護者の異動に伴いひとりも在籍しなくなるなど、比較する母集団そのものが毎年変わっており、いずれの取組みに顕著な効果があるか複数年にわたって測定することが難しいこともあげられる。
加えて、不就学の子どもが在籍しており、対策の必要性を認識している市区町村こそ、様々な取組みを行っているが、そうした状況が今回の調査項目では測定することができないとも考えられる。
一方で、義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍していない不就学にのみ目を向ければ、②および③のいずれの結果においても、取組みを行っている市区町村の不就学率は、行っていない市区町村のそれを下回る結果となっている。また、不就学率の全国平均である0.64%も下回っている。したがって、行政が保護者や子どもとコミュニケーションをとることができ、かつ確認の結果としての不就学に限れば、一連の取組みによる効果はあると言えるのではないだろうか。
4. すべての子どもたちに学びの機会を
3章では、今回の調査結果から不就学およびその可能性のある子どもの割合を低下させるのに顕著に効果がある取組みの特定は難しいと述べた。とりわけ義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍していない不就学については、その理由までは公表されていない。また、学校に行かずとも家庭教師をつけて自宅で学ぶなどの学習形態が不就学と計上されている可能性もある。しかし、仮にこの不就学がどのような形態の教育も受けないという保護者あるいは子どもの意思表明であるとすれば、教育は子どもの健全な成長や能力の発達に不可欠であるとの基本的な考え方に立ち戻って、そうした「不就学」はなくしていかなければならないだろう。そのためには、まずは外国人との様々な接点の機会を捉えて情報提供し、子どもの教育の重要性や日本の学校での学習、学校生活の魅力について伝え、理解してもらうことが大切なのではないか。
(1)行政に求められる取組み
ここで、3章で取り上げた不就学に対する各市区町村の取組みのうち、②行政サービス提供の機会を活用した就学促進の具体的取組について、その他を除く6項目すべてを実施していると回答した岐阜県美濃加茂市および愛知県豊田市における取組みを一部紹介したい(注7)。
まず、両市のホームページを見てみると、日本語以外に複数の言語で表示する機能がある。特徴的なのはホームページそのものを「やさしい日本語」に変換して表示できる点ではないだろうか。外国人が多く居住する市区町村では、ふりがなを付す機能をホームページに設定しているところはあるが、ふりがなに加えて、平易な日本語に言い換えられたホームページを整備している市区町村は少数である(注8)。多言語での情報提供に加えて、この「やさしい日本語」で情報提供することは、日本語による情報量と同程度の情報提供につながることに加え、日本語を使用して生活していくうえで、実際に使用されている日本語と繋げて理解しやすくなるという観点からも重要であると筆者は考える。
特筆すべきは、プレスクールやプレクラス・初期適応教室である。美濃加茂市では、プレスクール事業として、市内の保育園で、1園につき年10回程度の日本語や日本の生活様式、文化等を集中的に学ぶ機会を提供している。また、プレクラス・初期適応教室として、日本語能力が十分でない小中学生に対し、学校教育で必要な生活指導および初期的な日本語の指導を一定期間集中的に実施している。加えて、必要に応じて補完的な教育も行っている。美濃加茂市の倍以上の学齢相当の子どもが在籍する愛知県豊田市では、市内に複数のプレクラス・初期適応教室を設置し、美濃加茂市同様に日本語の初期指導や基礎的な四則計算などの教科につながる指導、また日本の学校生活への適応指導を行っている。同市では、幼児向け日本語教室についてはNPO法人に委託して開設・運営しているとのことである。
このようなプレスクールやプレクラス・初期適応教室を通じて、就学を促進するだけでなく、日本語が十分に話せないことで不就学にならないよう取り組むことは重要である。さらには、実際に小学校や中学校に就学した際に、日本語での学習活動に支障をきたさないという観点でも有効であろう(注9)。
しかしながら、プレスクールやプレクラス・初期適応教室は、外国人の子どもの人数規模が大きい市区町村だからこそ設置が可能であるとも考えられる。したがって、こうした取組みは難しくとも、①住民登録手続き、②行政サービス提供の機会、および③就学状況の把握と、様々な機会や接点を捉えて情報提供する、コミュニケーションを継続することが大事であると筆者は考える。
(2)企業に求められる取組み
前項では行政に求められる取組みに着目して確認したが、外国籍の子どもの保護者を雇用する企業にも就学促進に寄与できることがあるはずだ。このヒントになる取組みが文部科学省の調査に掲載されている。外国人の子どもの就学促進に関する事例・今後予定している施策について自由記述方式で各市区町村が答えたものだが、ここに「学齢期の児童生徒の就学促進について、保護者の多くが勤務する企業と定期的に情報交換会を実施し、就学について理解と協力を得ている」との回答がある。筆者は非常に重要な取組み事例であると考える。勤務先の企業であれば保護者と確実にコミュニケーションできる。そして必要に応じて説明の場を設定することも可能であろう。雇用する企業にとっても、家族の教育について選択肢を提示することで、その従業員が日本での生活に定着しやすくなることが期待できるのではないだろうか。こうした企業と行政とのコミュニケーションを、初めて外国人を雇用する企業との間でも事前に行えれば、行政でも必要な対応を予め取ることが可能だろう。
(3)地域のコミュニティとの連携
出身国が同じ外国人の自助組織などの「外国人コミュニティ」と連携することも考えられる。また、市区町村から委託を受けて外国人向けの相談センターを運営する事例や、先述の事例のように委託を受けたNPO法人や、社会福祉法人がプレスクールを運営している市区町村もある。このような地域に根ざしたコミュニティやグループと連携し、そのネットワークや実績を生かしていくことも方法としてあるだろう。
在留外国人が増加する一方で、人口減少により行政資源の厳しさが増す中では、現在の行政による取組みを継続することも将来的に難しくなるかもしれない。そのような環境下でも、不就学をなくし、すべての子どもたちが学びの機会を得られるようにするためには、行政だけでなく、企業や地域のコミュニティを含む地域社会内の連携が不可欠であると考える。
5. おわりに ~外国籍の子どもたちが45万名を超える未来に向けて~
資料6は国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の将来推計人口をもとに筆者が試算した2050年の外国籍の子どもたちの状況である。学齢相当の6歳から15歳の子どもたちは2050年には45万人と、2023年度と比較すると約3倍になる。また、公立の小学校・中学校に在籍する子どもたちは2032年には20万名、2050年には38万名を超える。一方で、不就学およびその可能性のある子どもたちは、不作為により現在の割合が継続すれば、2050年時点で3万7,000名超と推計される。

こうした外国籍の子どもたちの将来的な増加は、その保護者の増加と比例する。そして、この保護者の増加の要因となりうるのが特定技能制度(注10)に基づく外国人材の受入人数枠の大幅引き上げであろう。2024年4月からの5年間の受入見込み数が約82万人と閣議決定されており、従来の約34万人から大きく増加している。また、2027年には特定技能制度および新たな育成就労制度に関する改正法が施行される予定であり、育成就労制度においても受入人数枠の設定が議論されている(注11)。この育成就労制度では、人材が都市部に集中しないよう、地方の受入枠を増やす方策も検討されている。
こうした特定技能制度および新たな育成就労制度のもと、特定技能2号(注12)の在留資格を取得すれば家族の帯同も可能である。このため、学齢相当の外国籍の子どもの増加が見込まれる。また、育成就労生について地方の受入枠が拡大されれば、これらの育成就労生が特定技能2号の在留資格を取得した暁には、これまで外国籍人材が集住していた地域以外にも、保護者とともに学齢期の子どもが散在して居住するようになるだろう。現時点では人数規模が大きくない市区町村でも将来的には規模が拡大する、あるいはこれまで居住していなかった市区町村でも、新たに居住するようになる可能性がある。
在留外国人数が過去最高を更新し続けている現状に鑑みれば、そのような未来に向けて今から手を打つべきではないだろうか。少なくとも義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍せず、どのような形態の教育も受けていない「不就学」は未来の社会からなくさなければならないと筆者は考える。そして、学校においては外国籍の子どもたちも含めた様々なバックグラウンドや特性・個性を持った子どもたちが、仲良く切磋琢磨しながら楽しく学べる、そしてこれを含めてすべての子どもたちが学びの機会を得られるよう、地域社会全体で取り組んでいくことが求められる。
【注釈】
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学校教育法に基づき、保護者は、子どもが満6歳に達した日の翌日以降における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、小学校、義務教育学校の前期課程、または特別支援学校の小学部(以下、小学校等)に就学させる義務を負う。また、子どもが小学校等を終了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。前者を学齢児童、後者を学齢生徒と定めており、文部科学省ではこれらに相当する年齢の外国籍の子どもたちを、学齢相当の子どもと定義して調査を行っている。
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2023年5月1日を基準日とした住民基本台帳上の人数。
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義務教育諸学校とは、国公私立小・中・義務教育学校・中等教育学校(前期課程)、特別支援学校(小・中学部)を指す。また、外国人学校とは、もっぱら外国籍の子どもの教育を目的としている施設を指すが、今回の調査では各種学校として認可されているか否かを問わない、としている。なお、各種学校とは、授業時数・教員数や施設・設備などの一定の基準(各種学校規程等)を満たしている場合に、所轄庁である都道府県知事の認可を受けて設置されるものを指す。
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文部科学省の調査では、義務教育諸学校もしくは外国人学校のいずれにも在籍していない「不就学」に加えて、「就学状況が把握できない」子どもたち、また「住民基本台帳の人数の差異」についても不就学の可能性があると考えられるとしている。さらに「転居・出国(予定含む)」についても、出国者も多く含まれるが、国内転居の後に不就学状態になっている子どもが含まれている可能性があるとしている。したがって、本レポートでは、これらを「不就学およびその可能性のある子ども」と定義する。
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プレスクールとは、就学前の幼児を対象として、入学後の学校生活への円滑な適応に繋げるための教育・支援等の取組み。また、プレクラス・初期指導教室とは、学齢期の子どもを対象として、学校入学前や入学後初期段階に、初期の日本語指導等を集中的に行う取組み。
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本レポートでは、文部科学省の調査結果のうち、「転居・出国(予定を含む)」、「就学状況が把握できない」および「住民基本台帳の人数との差」に該当する子どもを「状況が把握できない子ども」と定義。こうした子どもの割合は全国平均で7.61%。この全国平均より高いのは7都府県。これに対し、学齢相当の子どもが10,000名以上の都道府県(東京都、愛知県、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県)のうち、全国平均より高いのは東京都、神奈川県、大阪府。
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美濃加茂市の不就学およびその可能性のある子どもの割合は2.2%、不就学は0%である。また、愛知県豊田市は不就学およびその可能性のある子どもの割合は3.5%、不就学は0.77%である。
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2024年1月1日時点の住民基本台帳に基づく外国人比率が10%以上の市区町村について筆者が確認したもの。
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日本語指導が必要な児童生徒、すなわち日本語で日常会話が十分にできない、もしくは、日常会話ができても学年相当の学習言語が不足し、学習活動への参加に支障が生じている児童生徒については、宍戸美佳(2025)を参照。
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特定技能制度については、重原正明(2024)を参照。
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育成就労制度は、特定技能制度の前段階として位置づけられ、特に特定技能1号への移行を見据えた「育成期間」を設けるのが特徴。その対象分野は、特定技能の特定産業分野の中から限定して選定され、受入れ人数枠も分野ごとに設定される予定。
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「特定技能2号」とは熟練した技能を持つ外国人に認められる在留資格。在留期間の更新回数に上限はない。
【参考文献】
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文部科学省(2024)「令和5年度外国人の子供の就学状況等調査結果について」
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文部科学省「外国人児童生徒のための就学ガイドブック」
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国際連合「児童の権利に関する条約」
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愛知県豊田市「ことばの教室」
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岐阜県美濃加茂市教育委員会学校教育課「外国人児童生徒初期適応指導教室「のぞみ教室」」
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愛知県豊田市「第3次豊田市国際化推進計画」
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宍戸美佳 (2025)「公立学校に増える日本語で学べない子どもたち(1)~「日本語指導が必要な児童生徒」の「集住・散在化」の実態とは~」
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宍戸美佳 (2025)「公立学校に増える日本語で学べない子どもたち(2)~多文化共生社会の基盤となる日本語教育を~」
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重原正明(2024)「技能実習から育成就労へ~外国人の研修型就労制度はどう変わるか~」
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国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 -令和3(2021)~令和52(2070)年」
宍戸 美佳
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