【1分解説】インシデントとは?

重原 正明

  音声解説

インシデントとは、出来事、事象といった意味のことばですが、ビジネス、特にリスク管理の世界では、危険の前兆となる出来事を指すことばとして使われます。ただし、サイバーリスクなど分野によっては、危険が現実化した事故も含めてインシデントと呼ぶこともあります。

事故などの危険な出来事が起こる際には、その出来事が実現する一歩手前の出来事が29回は起きており、さらにその出来事につながりかねない事象が300回ぐらい起きている、ということが経験則として知られています。300:29:1、あるいはハインリッヒの法則として知られるこの法則は、危険な出来事が起こる前の段階でそれを認識し、対策を施すことの有効性を示すものと言えます。言い換えるとインシデントの把握は、リスク管理の重要な要素となるわけです。

インシデントの中でも特に公共性の高い分野では、その重要性に鑑み、インシデントの公的な収集・分析が行われます。日本でも、鉄道や航空、電気通信などの分野では、事故を起こす恐れがあるインシデントについての報告が法的に求められています。

報告されたインシデント事例を事故防止に生かすには、事例の分析と、信頼のおける範囲内での共有が有効です。インシデントの共有への意識の普及と有効活用の広まりを期待します。

この解説は2025年4月時点の情報に基づいたものです。

重原 正明


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

重原 正明

しげはら まさあき

資産運用調査部 シニア研究員
専⾨分野: 社会保障・保険・年金、リスク管理・保険数理、会計・開示

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