1分でわかるトレンド解説 1分でわかるトレンド解説

【1分解説】選択的夫婦別姓制度とは?

牧之内 芽衣

  音声解説

選択的夫婦別氏制度、いわゆる選択的夫婦別姓制度とは、結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の姓を名乗ることができる制度です。日本では1898年以来、婚姻に際してはいずれか一方が必ず姓を改めなければならないことになっています。

現行の強制的な夫婦同姓制度には、大きく以下の3つのような指摘があります。

①強制的な改姓によるアイデンティティの喪失や基本的人権の侵害

②旧姓時代の業務や研究の実績が改姓後に認識されないといった社会生活上の不利益

③日本では婚姻に際して改姓しているのは95%が女性であるという実質的な男女不平等

旧姓の通称使用は多くの企業で浸透しているものの、日常生活では病院や役所など多くの場面で戸籍上の姓の使用が求められます。

2019年11月からマイナンバーカードや住民票への旧姓併記が可能になりましたが、企業や行政にとってもシステム改修や管理のためのコスト、事務負担がかかります。また、国際規格に準拠しない例外的措置のため、旧姓併記のパスポートが海外で本人確認書類と認められないことや、通称と戸籍名の使い分けによるマネーロンダリングなどの懸念もあります。

アメリカやイギリス、オーストラリアなどでは選択的夫婦別姓が認められており、フランスや韓国、中国などは原則別姓です。選択的夫婦別姓制度の反対派の主な主張は「家族の一体感が損なわれる」というものですが、これらの国で姓を理由に家族の一体感が失われているという客観的なデータは今のところありません。不利益の解消が待たれます。

この解説は2024年5月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。