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【1分解説】ビジネスケアラーとは?

岩井 紳太郎

  音声解説

ビジネスケアラーとは、主に企業などで仕事をしながら家族等の介護をする人々を指し、その数は2022年時点で約274万人(注1)となっています。2023年に経済産業省が発表した試算では、2030年には約318万人に達し、家族介護者のうち約4割がビジネスケアラーになると見込まれています。また、同試算ではビジネスケアラーの介護離職や労働生産性の低下に伴う2030年における経済損失は約9兆円に上るとされており、日本社会全体の深刻な問題になると懸念されています。

多くのビジネスケアラーにとって、介護による肉体的・精神的負担は大きく、仕事との両立が困難であるのが現状です。また、ビジネスケアラーには企業の中核を担う45歳以上が高い割合を占めており、このような人材の労働生産性の低下や介護離職が企業に与える影響は少なくありません。こうしたことから、ビジネスケアラーへの支援拡充は喫緊の課題となっています。

これに対し、経済産業省では、2024年3月に「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を策定しました。このガイドラインは、企業経営における仕事と介護の両立支援が必要となる背景・意義や両立支援の進め方等がまとめられています。今後政府や企業が連携し、ビジネスケアラーに対する包括的かつ効果的な支援を推進することが期待されます。

(注1)総務省「令和4年就業構造基本調査」における有業者のうち「仕事が主な者」をビジネスケアラーとして定義。

この解説は2023年8月に公表した後、2024年8月時点の情報に基づき改訂したものです。

岩井 紳太郎


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