イグジットマネジメントとは、企業の健全な新陳代謝を促すための、従業員の退職に係る企業の管理や戦略を指します。離職防止や円滑な転職などの退職時の取組みに止まらず、従業員が在籍中に最大限能力を発揮したうえで、主体的にキャリアを考え退職を選ぶまでの過程も含みます。

著しく社会が変化する中で、企業は過去に捉われず新しい考え方や手法を取り入れる必要があります。また、政府の方針として成長市場への労働移動が推進され転職の機運が高まっていることも相まって、企業の新陳代謝を促すイグジットマネジメントが注目されています。

イグジットマネジメントの取組みの1つとして、従業員が活躍できる環境整備が挙げられます。個々の能力やスキルに適した職務や機会を提供し、従業員が能力を最大限発揮することで、適切なタイミングで退職を選ぶことができます。また、企業の退職者のつながりであるアルムナイネットワークの活用も有用です。将来的なカムバックの可能性とともに、現職と転職先との協業等が期待されることで、前向きな転職の後押しにもなります。企業としても優秀な人材の再獲得につながります。

人的資本経営に注目が集まるなか、従業員の前向きな退職を後押しするイグジットマネジメントも企業の重要な戦略の1つになることが期待されます。