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【1分解説】バーチャルウォーターとは?

摩尼 貴晴

  音声解説

バーチャルウォーターとは、食料輸入国が、もしその輸入食料を自国で生産するとしたらどの程度の水が必要かを推定したものです。ロンドン大学名誉教授のアンソニー・アラン氏が提唱した概念で、「仮想水」とも言われます。例えば、卵1個に必要な水を環境省の「仮想水計算機」で算出すると、約180ℓとなります。これは鶏が飲む水の量だけではなく、飼料に使われている小麦やトウモロコシ、大豆、さらには工場で使用する洗浄水など全て含めた数字です。

世界では人口の増加や地球温暖化による干ばつ等により水不足が深刻化しており、約20億人が安全な飲み水を使うことができないと言われています。日本は食料自給率が低く、大量のバーチャルウォーターを輸入していますが、世界はバーチャルウォーターという概念でつながっており、世界の水不足は日本とは無関係ではありません。

近年、世界では紛争や対立により分断化の動きが見えますが、新型コロナウイルス感染拡大がそうであったように、世界を完全に分断することは不可能です。ある国の行動は必ず他の国に影響を及ぼします。バーチャルウォーターという考え方を通じて「どの国も取り残さない」という理念の共有が必要ではないでしょうか。

この解説は2023年5月時点の情報に基づいたものです。

摩尼 貴晴


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。