Well-being『問いが変われば投資が変わる~2026年の賢い投資信託運用術~』

内田 一廣

目次

Ⅰ.はじめに:正解探しより「問い探し」

2026年2月の今、こう感じている方はいませんか?

「預金だけでは不安。でも投資は怖い。何を買うのが正解なんだろう?」

そんな方に今回ご提案したいのは、『正しい商品』を探す前に、まず『良い問い』を自分に投げてみるということです。

行動経済学では、人が感情や思い込みにより非合理な選択をしがちだと指摘しています。一方コーチングは、問いかけを通じて自分の中の答えを引き出すプロセスです。

本稿では、投資信託運用を『どんな問いを投げるか』という視点から整理します。

Ⅱ.投資信託運用の落とし穴を『問い』で見抜く

1.損失回避:下落がこわいときの問い

基準価格が下がると損の痛みが強く意識されます。そんなときの問い:

「この下落は一時的な揺れか、前提が変わったサインか?」

「もし今初めてこの基準価格で出会ったなら、私はこのファンドを買うだろうか?」

2.現状維持バイアス:何もしない自分への問い

NISA口座を開いたまま放置している時などの問い:

「私は何が分からないから動けていないのか?」

「5分だけ時間を取るなら、どの一歩だけなら今すぐ踏み出せるだろうか?」

3.確証バイアス:都合の良い情報だけを見ていないか

テーマ型投信に期待し過ぎていると感じたら:

「この投資がうまくいかないとしたら、どんな理由があり得るか?」

「反対意見の人は、どんな事実やデータを根拠にしているのだろうか?」

4.フレーミング効果:本質を見誤らないために

派手な実績に惹かれたときこそ:

「この数字は、どんな期間・条件で切り取られた結果なのだろう?」

「10年という長い目で見たとき、私にとって本当に大事な指標は何か?」

Ⅲ.投資信託運用をデザインする4つの問い

自分にちょうどいいやり方を見つけるための問い

1.目的の問い

「このお金は、誰のどんな未来のためか?」

「お金が増えた先に、私は何をしたいのか?」

2.時間の問い

「このお金を最短いつ使う可能性があるか?」

「10年以上使わないお金はどれくらいあるか?」

3.リスクの問い

「1年で▲10%になっても夜ぐっすり眠れそうか?」

「眠れなくなるのは▲何%くらいからか?」

4.行動の問い

「基準価格が▲20%下がったら、そのとき私は何をするか?」

「ボーナスが入ったら、どこまでを投資に回すか?」

Ⅳ.2026年2月のあなたに贈るセルフコーチング質問

セルフコーチングは、問いかけを通して迷いを整理し、自分の進む方向を見つけるための方法です。

「私は何を恐れて、この判断を先送りしているのか?」

「5年後の自分は、今日の迷いをどう振り返るだろうか?」

「親しい友人が同じ状況なら、私は何と言ってあげるだろうか?」

「損をしたくないという気持ちは、どこまでが健全で、どこからがブレーキになっているのか?」

「今年の終わりに『やってよかった』と思える小さな一歩は何か?」

Ⅴ.おわりに:問いは「投資戦略」そのもの

新NISA、金利政策、インフレなど環境は変わり続けますが、どんな局面でも使える武器が『自分への問いかけ』です。

良い問いは、感情に飲み込まれそうなときに一歩引いて状況を眺めるための足場となります。その上でこそ、積立・分散投資・リバランスといった技術が本来の力を発揮します。

本稿が、あなたとお金との対話を少しだけ深める一助となれば幸いです。

内田 一廣


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。