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マイオピニオン~若手研究員の意見~『若者の財布の紐は固い?消費拡大のカギとは』

岩井 紳太郎

目次

若者は節約&貯蓄する傾向

2024年は政労使の積極的な呼びかけ等により、歴史的とも言える高い賃上げ率を記録しました。2025年も昨年と同水準もしくはそれを上回る見込みです。年齢層別に見ると、特に若年層における賃上げ率が高い状況です。賃上げによる消費拡大・経済活性化が期待されますが、若者の消費は伸びているのでしょうか。

総務省の調査によると、直近10年間における34歳以下の平均消費性向(消費支出/可処分所得)は、単身者・2人以上勤労世帯ともに低下しています(資料1)。一方で、平均貯蓄率(貯蓄純増/可処分所得)は上昇しており(資料2)、将来の不安等が理由で節約・貯蓄する傾向にあると考えられます。

図表
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若者は何にお金を使うのか

1か月あたり平均消費支出額の上位5項目の中で、この10年間で大幅に増加しているのは「食料」です(資料3)。物価上昇の影響が大きいと考えられ、どの年齢層においても増加しています。注目すべき点は「教養娯楽」への支出額が増加していることです。2024年の支出額は2015年比で約120%と、他の年齢層と比べて高い増加率となっています。

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本調査における「教養娯楽」とは、教養、娯楽、趣味などを指しますが、特に「教養娯楽用品」と「教養娯楽サービス代」が大幅に増加しています。「教養娯楽用品」は、運動用具やゲーム機等の玩具などがあり、「教養娯楽サービス代」は、サブスクリプション、映画・コンサート代、遊園地入場・乗り物代やスポーツ観覧料等が含まれます。

娯楽用品やサービスが多様化・高度化している中、若者は自分の興味・関心のあるコト・モノに対してはSNS等で積極的に情報収集し、お金を使う傾向にあると考えられます。また、20-30代の1日あたり趣味・娯楽時間が大幅に伸びているという調査もあります。「教養娯楽」が若者の消費拡大に向けたカギの1つになるでしょう。

岩井 紳太郎


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。