Well-being『生活習慣の“みえる化”のすすめ~感覚のズレが起きていませんか?~』

田中 三枝

目次

厚生労働省は、国民の身体の状況や栄養素等の摂取量及び生活習慣の状況を明らかにすることを目的に、毎年「国民健康・栄養調査」を行っている(注)。私たちも、定期的に自身の生活習慣を“みえる化”して意識することを、健康づくりの一つとしてお勧めしたい。

(注)令和2年、同3年は新型コロナウイルス感染症の影響により調査中止。

生活習慣は社会環境も関与している

生活習慣は、個人の習慣、行動だけでなく、社会環境も関与していると言われている。ここ数年では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、生活環境の変化が少なからずあった。また、物価上昇など昨今の変化も今後の生活習慣に影響する可能性は高い。こうした社会環境の変化に対応して、主体性をもち、生活を整えていくことは健康づくりには重要だ。

生活習慣と生活習慣病の予防

生活習慣が健康増進だけでなく生活習慣病予防において重要であることは知られている。習慣は、日常的に無意識にそれを繰り返すことだ。身体にとって良い習慣も、悪い習慣も気づけないことがある。ゆえに、生活習慣を“みえる化”して意識することは、行動変容への動機づけとなり生活習慣病の予防へとつながる。

気づいていない変化と感覚のズレ

令和5年「国民健康・栄養調査」によると、野菜摂取量が平均256.0g (男性262.2g女性250.6g)であった(資料)。男女ともに平成27 年以降、その摂取量は有意に減少している。しかも、厚生労働省が国民の健康づくりのために示している1日の野菜摂取量の目標値350gからは大きく下回っている。

図表
図表

野菜には、ビタミンやミネラル・食物繊維、抗酸化成分など、身体の調子を整え、身体機能を正常に維持する大切な栄養素や成分が多く含まれおり、多くの研究で、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果がでている。野菜が身体によいとわかっているからこそ、意識して摂取している人も多いだろう。だが、「摂っていると思う量」と「実際に摂れている量」が一致しているかは定かではない。野菜も種類によってもその重さはいろいろあるが、保健指導等で、わかりやすい目安として表現されているのは「生野菜両手一杯 約120g」「茹で野菜片手一杯 約120g」。実際に手で、イメージをしてほしい。お皿を手のひらに置き換えたら、1日350gの野菜、思っていた量とのズレはないだろうか。お弁当などは、価格の変動を避けるために、以前より中身が少なくなっているものもある。意識的に野菜を摂っていた感覚が、自身の食生活や社会の生活環境の変化で、ズレが生じているかもしれない。今一度「調理の前に野菜の総量を測る」「お惣菜のサラダの量を確認する」などして、感覚を確認してみてほしい。

生活習慣の修正は、感覚のズレの修正から

今の状況を「みえる化」し、感覚のズレを修正することは、生活習慣の変容のきっかけになる。食生活や運動時間等を数日、記録するなど、生活習慣を「みえる化」し、思い込みや感覚のズレがないか確認してみてはどうだろうか。

田中 三枝


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。