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- Well-being LDの視点『介護休業とれますか? ~仕事と介護の両立~』
介護休業制度と介護休業給付
総務省令和4年就業構造基本調査によると仕事を持ちながら介護をしている人は全就業者の5.4%にあたる364.6万人。以前は介護休業を取ると言えば自らが家族の介護を行うものと考える方も多かったが、介護休業や短期間の介護休暇は主に平日にしか行えない介護関連の申請や介護サービスの手続き等を行い「働きながら介護を行う体制を整える期間」に変わりつつある。
本格的な介護準備期間となる介護休業制度(資料1)は要介護状態(※1)の家族(※2)の介護等をするために「対象家族1人につき3回まで、通算93日」利用できる。勤務先に介護休業制度がない場合でも、育児・介護休業法に基づいて利用できる。さらに、雇用保険の被保険者(※3)であれば介護休業期間に応じて介護休業給付金が受取れる(原則勤務先経由申請)。
■介護休業給付の支給額(賃金日額の上限あり)
支給対象期間(1か月)ごとに原則
「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」
未請求の場合も休業後2年間は請求可能だ。
ただし、休業開始前の8割以上の賃金が支払われる場合や、休業期間中に働く場合、就業している日数が1か月ごとに10日を超えると介護休業給付金は支給されない。また、復職することが前提の制度のため、そのまま離職した場合は支給されない。令和4年度の介護休業給付金の受給者数は約3万人(資料2)。働きながら介護をしている人の約1%にも満たない。介護にかかる費用負担が気がかりな介護者にとって、休業による減収の一部を補える非課税の給付金請求ができることは、大きな安心につながる。
育児・介護休業法改正による企業の対応
育児・介護休業法改正により仕事と介護の両立支援制度を十分活用できないまま介護離職に至ることを防止するため、両立支援制度(資料3)の個別周知と意向確認や、両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備を行うことが令和7年4月1日以降義務化され、企業は対応を求められている。これまでは介護休業等の制度を利用するために会社の規定などを自ら1つ1つ確認しなければならなかったが、本改正により休業・休暇の取得から復職までの手続き案内や対話・研修等により必要な情報を勤務先から提供されるようになるため、従業員にとっては不安な要素が大きく軽減される。また、介護相談や両立支援制度が利用しやすい環境に職場をマネジメントすることも重要だ。日頃から無理なくお互いをフォローできる業務体制を組めるように、業務の見える化やDXの活用等、対話を通じて柔軟な働き方のできる職場にしていくことが望まれる。



※1 要介護状態・・・介護保険制度の要介護2以上のほか、介護保険制度の要介護認定を受けていない場合でも2週間以上介護が必要な状態のときには対象
※2 対象家族・・・配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫
※3 介護休業を開始した日前2年間に雇用保険被保険者期間が原則12か月以上必要
山本 玲子
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。