- HOME
- レポート一覧
- 第一生命経済研レポート
- 注目のキーワード『こども家庭庁』/編集後記(2023年2月号)
- 目次
2023年4月に「こども家庭庁」の発足が予定されています。これは昨年6月に国会で成立した「こども家庭庁設置法」及びその関連法案にもとづくもので、最近では2021年9月のデジタル庁に続く新たな省庁の発足となります。
新設されるこども家庭庁には、「常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えて、こどもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもの権利を保障し、こどもを誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押し」するための新たな司令塔としての役割が求められています。
また、上記設置法等によれば、新庁には内閣府特命担当大臣が置かれるとともに、こども政策の改善を各省庁などに求めることができる勧告権を持たせるとされています。こども・子育てに関連する施策はこれまで様々な省庁が所管してきましたが、例えば就学前の児童の受入れ先に関しても、幼稚園(文科省)、保育園(厚労省)、認定こども園(内閣府)と担当省庁が跨り、縦割り行政の弊害と言われる面もありました。
そうした課題に対して、こども家庭庁が省庁間でリーダーシップをとり、こどもや子育て世帯への施策・支援を前に進めていくことは重要なことだと思われます。
さらに、こども政策の基本理念の1つとして「こども・子育て当事者の視点にたった政策立案」が挙げられており、こども家庭庁の基本方針の策定にあたっても、こども・若者からのヒアリング等が政府の会議の場で行われてきました。このような取り組みが実効性を持って継続されていくことで、こどもや家庭が抱える様々な課題に対して、当事者の視点に立った一元的な対策がはかられ、こどもの健やかな成長が社会全体で支援されているとの実感にもつながると思われます。誰もが安心してこどもを産み育てられる環境の実現には、こうしたことも必要ではないでしょうか。
これからのこども家庭庁の取り組みが、こどもや家庭の抱える様々な課題の解決はもとより、結婚・子育て世代のこどもを持つことに対する不安の解消につながっていくことを期待します。
編集後記
久しぶりに日銀の金融政策変更に対する思惑が市場を大きく動かしている。昨年12月の金融政策決定会合でYCCでの10年金利の変動幅を±0.25%から±0.5%に拡大。日銀は「変動幅の拡大は事実上の利上げ」と言っていただけに突然の変心に市場はびっくり。世界的な利上げパレードに遂に日銀も参加か?!と株安、円高の動きが加速した格好になった。
今回の決定については市場との対話という観点で様々な議論を巻き起こしている。対話を重視する向きからは事前の情報発信とあまりに違う、日銀の言うことは常に裏を読まなきゃいけないのか、等々の意見が出ている。一方でYCCの性格上その変更は突然やるしかない、これまでの黒田日銀のやり方を見ていればサプライズでの政策変更は当然、日銀が一枚上手だったということ、と対話に問題があったとは言えないのではとする意見も多い。筆者はもう少し対話に工夫があっても良かったと思っている。“そりゃ言えないよな…”と感じるか“やられた…”と感じるのでは今後の情報の受け取り方にも違いが出てくるし、それが続けば誰も話を聞かなくなる。
日銀は「市場機能の改善を図る」ため今回の変動幅拡大を決定したとした。市場に介入しコントロールするのがYCCであるが流石にそのデメリット、リスクを見逃せなくなってきたというのは本音だろう。FRBも異例の大規模緩和の後始末には苦労している。金融市場は日々絶妙なバランスの上で効率的に動いているがそのバランスが少しずれただけで大混乱に陥ることだってあり得る。
FRBが動き、ECBが動き、BOJも動く。2023年、利上げペースは落ちるがQTはこれからが本番。「QEの効果は大きい」ならQTの効果も意外に大きいかも。まだまだ楽観的になるのは早過ぎる。
水澤 太一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

