デジタル国家ウクライナ
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DXの視点『韓国行政プラットフォーム「政府24」が実践する国民目線』

柏村 祐

国連が年に一度調査を行う世界電子政府ランキング2020年によれば、韓国は、デンマークに次ぐ2位となっている。

着実にデジタル化を成功させた韓国において特に注目される事例として、行政プラットフォーム「政府24」が挙げられる。「政府24」は、24時間365日いつでもどこでも証明書発行や各種の行政申請を行える。「政府24」にログインするための電子認証メニューは、日本のマイナンバーにあたる公的な住民登録番号以外にも民間のSNSアカウントや通信キャリアの利用証明も使えるなど多様な方法が用意されていることが特徴となる。このように多様な電子認証メニューが用意されているため、国民は日常的に利用しているSNSアカウント等から気軽に「政府24」を試すことができる。

「政府24」では、住民登録謄本や抄本、納税証明書といった汎用的な証明サービスが展開されていることに加えて、国民が利用しやすいサービスメニューとして「ワンストップサービス」「ライフサイクル別サービス」「パッケージサービス」も用意されている。「ワンストップサービス」は、妊娠、出産、転入、相続などのライフイベントにおいて必要となるサポートを一括して申請できるサービスである。例えば、「幸せ出産ワンストップサービス」では、母親本人または配偶者であれば、出産後に受けることができる養育手当、児童手当などの様々なサービスを一括して申請可能だ。

さらに「ライフサイクル別サービス」では、乳幼児、少年、青年、中高年、高齢者といったライフステージ毎に必要なサービスが提供される。例えば、表示される青年のアイコンを選択するとニーズの高い「奨学金」、「ローンサポート」、「手当」などの内容が案内される。「パッケージサービス」では、住まい、近所割引、ペット、海外旅行、兵役などのメニューが用意されている。ペットメニューを選択してみると、「動物の登録申請・変更届」、「再発行、輸出ペット(犬・猫)の検疫事前予約」ができる。また、近所割引のアイコンを選択すると「スポーツ講座利用権」、「面接スーツ無料レンタルサービス」などの無料・割引サービスを申し込める。

これらの国民共通メニューに加えて、行政プラットフォーム「政府24」には個人毎に最適化された「マイライフインフォメーション」が提供されている。提供される「マイライフインフォメーション」の分野は、「家族/健康」「税金/還付金」「年金」「兵役」「罰金/過料」「自動車」「生活金融」「住宅/福祉」の8分野67種類であり、国民はここから自分の生活に関するきめ細かい情報を得ることができる。

以上のように、韓国の行政プラットフォーム「政府24」の強みは、国民に寄り添った「使いやすさ」に集約されるだろう。利用者である国民の目線を追求したことによって、「ワンストップサービス」「ライフサイクル別サービス」「パッケージサービス」「マイライフインフォメーション」といったオンラインを介した行政サービスが進化を遂げている。

日本において2021年9月に設置されたデジタル庁は、徹底的な国民目線でのサービス創出を目標に掲げている。国民目線のサービスを創出するために、既に実績があり利用が進む韓国の行政プラットフォーム「政府24」から、多くを学ぶことができるのではないだろうか。

柏村 祐

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