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2026.09.08
日本経済
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景気指標(日本)
2026~2027年度日本経済見通し(2026年9月)(2026年4-6月期GDP2次速報後改定)
新家 義貴

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実質GDP成長率の見通しは2026年度が+1.0%(8月時点予測:+0.9%)、27年度が+1.2%(同+1.2%)である。暦年では26年が+0.9%(同+0.9%)、27年が+1.0%(同+1.0%)となる。26年4-6月期のGDP成長率が2次速報で上方修正されたことを反映し、26年度の成長率見通しを若干上方修正したが、足元修正にとどまり、先行きの見方に大きな変更はない。先行きも、コスト上昇による景気下押し圧力は残るものの、景気の緩やかな回復基調は維持されると予想している。
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本予測では、27年4月から2年間、食料品への消費税率を1%に引き下げ、あわせて家計への給付金を年間6000億円(食料品への消費税1%分に相当)支給することを前提としている。家計の購買力増大に伴って、27年度の実質GDP成長率は0.2%ポイント強押し上げられると想定している。また、27年度の消費者物価指数(総合)は▲1.4%ポイント、消費者物価指数(生鮮除く総合)は▲1.2%ポイント押し下げられるとみられる。
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26年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.4%と、3四半期連続のプラス成長となった。内需が伸び悩むなど、内容にはやや物足りなさも残るが、中東情勢の悪化によって供給不安や輸入価格上昇などの逆風が強まった時期だったことを考えれば、1-3月期の高成長に続いて4-6月期も回復基調が維持されたことは前向きに評価できる。国家備蓄の放出や米国等からの代替調達の進展によって深刻な供給制約が回避されたことに加え、AI関連需要の強まりなども景気を下支えした。景気の回復基調は崩れていない。
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26年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.4%と予想している。4-6月期に続いてプラス成長を維持し、景気は緩やかな回復を続けるとみている。個人消費については、4-6月期にみられた自動車やエアコンなど耐久財需要による押し上げが弱まることに加え、各地で相次ぐ大雨などの自然災害が外出やサービス消費を一時的に抑制する可能性がある。一方、高い賃上げや底堅い雇用環境、政府の電気・ガス料金補助が下支えとなることから、増加幅は限定的ながら前期比プラスを維持するとみている。輸出についても、海外景気の底堅さやAI・半導体関連需要が支えとなるほか、設備投資についても、省力化やデジタル・AI関連を中心とする投資需要は根強い。資材の調達難が、代替調達の進展等を受けて足元では大きく和らいでいることに加え、中東情勢を巡る不透明感も一時より和らいでいることから、先送りされていた投資が徐々に実行に移され、設備投資は持ち直しに向かうとみている。自然災害による一時的な下押しはあるものの、こうした下支え要因を踏まえれば、7-9月期のGDPもプラス成長を維持すると予想する。
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26年度後半については、中東情勢の悪化を受けて既に生じている輸入物価や川上段階でのコスト上昇が、時間差を伴って川下へ転嫁されていくことが景気の下押し要因になる。食料品や日用品、電気・ガス料金などの上昇を通じて家計の実質購買力が低下するほか、企業にとっても原材料費や物流費などの上昇が収益の重石となる。このため、景気の回復ペースは抑制されやすい。一方、供給面のリスクは大きく後退している。政府・民間による代替調達が進展したことで、原材料や資源の不足によって生産活動が大きく制約される可能性は低下している。中東情勢を巡る問題の焦点は、春先の「数量・供給不足」から、今後は「価格・所得面」へ移っていくとみている。
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価格面からの下押し圧力は残るものの、26年度後半も景気の緩やかな回復基調は維持される可能性が高い。企業収益は高水準を維持しており、今後コスト増の影響が強まった場合にも一定の緩衝材となる。コスト増が続くなかでも投資余力は相応に確保されているほか、人手不足を背景とした省力化投資やデジタル・AI関連投資への需要も根強い。供給不安の後退によって先送りされていた投資が徐々に実行に移されることも期待される。また、海外景気の底堅さやグローバルなAI・半導体関連需要の拡大も、輸出や設備投資を下支えするとみられる。家計部門では、足元の消費関連指標には弱さもみられるものの、高い賃上げや底堅い雇用環境が下支えとなることから、個人消費が大きく腰折れする可能性は低い。こうした点を踏まえれば、景気は力強さこそ欠くものの、緩やかな回復を続けると予想する。
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27年度については、中東情勢悪化に伴う資源高や調達コスト上昇の悪影響が徐々に減衰し、価格・所得面からの下押し圧力も和らぐことで、景気の回復感は徐々に強まるとみている。企業部門では、コスト上昇圧力の緩和によって収益環境が改善し、省力化やデジタル・AI関連を中心とした設備投資も増加する見込みである。輸出についても、海外景気の底堅さやAI関連需要が引き続き下支えとなる。家計部門では、コストプッシュ圧力の一巡によって物価上昇率が鈍化することに加え、27年4月からの食料品に対する消費税率引き下げと家計への給付金支給によって購買力が押し上げられ、個人消費の回復が強まるとみている。このように、物価面からの逆風が和らぎ、企業収益の改善や家計の購買力回復が進むことで、内需の持ち直しはより明確になるだろう。こうした内外需の改善を背景に、27年度の実質GDP成長率は+1.2%と、26年度の+1.0%から伸びを高めると予想する。
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消費者物価指数(生鮮食品除く総合、CPIコア)は26年度が+2.4%(8月時点予測:+2.4%)、27年度が+1.1%(同+1.0%)と予想する。26年度については、年度後半にかけて物価上昇率が高まる可能性が高い。食料品価格は足元で鈍化傾向に歯止めがかかりつつあり、日用品でも値上げの動きがみられ始めている。既往の資源価格上昇や調達難の影響に加え、足元で上昇している包装資材費や物流費などのコスト増が、時間差を伴って川下へ転嫁されることが物価を押し上げる。また、既往の燃料価格上昇は時間差を伴って電気・ガス料金に波及する。政府の補助が夏場のCPIを一時的に押し下げたものの、秋から冬にかけてはエネルギー価格の押し上げが強まる可能性が高い。企業の価格転嫁姿勢が積極化していることもあり、26年末~27年初のCPIコアは前年比で+3%を上回る可能性が高い。
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一方、27年度には、既往のコストプッシュ圧力が一巡に向かうことに加え、4月からの食料品に対する消費税率引き下げによってCPI上昇率は大きく低下する。四半期ベースでは27年1-3月期をピークに物価上昇率は鈍化するとみている。今回の予測では、消費税減税によって27年度のCPI総合が▲1.4%ポイント、CPIコアが▲1.2%ポイント押し下げられると想定している。もっとも、こうした低下は制度変更による一時的な押し下げの影響が大きい。高い賃上げに伴う人件費上昇や人手不足、企業の積極的な価格設定姿勢は続くとみられ、基調的な物価上昇圧力が急速に弱まるとはみていない。
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金融政策について、次回の利上げは26年9月を予想する。基調的な物価上昇率が2%に近づくなか、日銀は物価上振れリスクへの警戒を強めており、9月会合では政策金利を1.25%へ引き上げる可能性が高い。
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その後、26年12月、27年3月、6月と追加利上げを行い、政策金利を2.0%まで引き上げると予想する。前回見通しでは26年9月、27年1月、6月に利上げを行い、1.75%まで政策金利を引き上げると見込んでいたが、既往の資源高や円安、企業の積極的な価格転嫁を背景に物価上振れリスクへの警戒が一段と強まっていることに加え、日銀が機動的に利上げを進める姿勢を明確にしていることから、利上げペースはこれまでの想定より速まると判断した。また、米国側が日本の金融政策正常化を支持する姿勢を示すなか、政府も日銀の追加利上げを強くけん制しにくい環境になっている点も重要である。26年末から27年初にかけては物価上振れリスクが顕在化しやすく、基調的な物価上昇圧力も強い状態が続くとみられることから、12月、3月と四半期ごとの利上げが行われる可能性が高い。さらに、27年春闘でも高い賃上げが続き、賃金・サービス価格を通じた物価上振れ圧力が続けば、基調的な物価上昇率が2%を超えて定着することを防ぐ観点から、6月に2.0%まで引き上げるとみている。



新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 新家 義貴
しんけ よしき
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経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測
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