2026年4-6月期GDP(2次速報値)予測

~前期比年率+1.7%への上方修正を予想~

新家 義貴

中東情勢悪化のなかでも景気は回復基調を維持

9月8日に公表される2026年4-6月期の実質GDP(2次速報)は前期比年率+1.7%(前期比+0.4%)と、1次速報の前期比年率+1.1%から上方修正されると予想する。本日公表された法人企業統計の結果を反映して設備投資と民間在庫変動が小幅に上方修正されると見込まれるほか、個人消費もやや上方修正されるとみられる。

4-6月期の景気評価に大きな変更はない。1-3月期の前期比年率+1.9%に続いて比較的高い成長を維持する形となり、中東情勢の悪化によって供給不安や輸入価格上昇などの逆風が強まったなかでも、日本経済が底堅く推移していたことが改めて確認されるだろう。国家備蓄の放出や政府・民間による代替調達の進展によって深刻な供給制約が回避されたことに加え、AI関連需要の拡大なども景気を下支えしたとみられる。景気の回復基調は崩れていない。

また、本日公表された法人企業統計では、売上高が前年比+5.9%、経常利益が同+24.6%と大幅に増加した。中東情勢悪化に伴うコスト上昇が意識されるなかでも、企業は高い収益水準を維持しており、足元の企業部門には相応の耐久力があることが確認された。売上高経常利益率も高水準にあり、今後のコスト上昇に対しても一定のバッファーを有していると評価できる。企業収益の好調さが続いていることは、先行きの設備投資や景気を支える材料となるだろう。

先行きについては、年度後半にかけて既往の輸入コスト上昇が時間差を伴って川下へ転嫁され、食料品や日用品、電気・ガス料金などの上昇を通じて家計の実質購買力が圧迫される可能性がある。企業にとっても、原材料費や物流費などの上昇が収益の重石となることから、景気には一定の下押し圧力がかかるだろう。

もっとも、春先に懸念された供給面のリスクは、代替調達の進展などによって大きく後退している。高水準の企業収益がコスト上昇に対する一定の緩衝材となるほか、人手不足を背景とした省力化投資やデジタル・AI関連投資への需要も根強い。家計部門でも、高い賃上げや底堅い雇用環境が個人消費を下支えするとみられる。価格面からの下押しは残るものの、景気は緩やかな回復基調を維持する可能性が高いだろう。

需要項目別の動向

実質設備投資は前期比▲1.0%と、1次速報の前期比▲1.2%から小幅上方修正されると予想する。本日公表された26年4-6月期の法人企業統計では、名目設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+3.6%とプラスに転じ(26年1-3月期:同▲1.4%)、季節調整済前期比でも+2.9%(1-3月期:▲3.2%)と増加した。また、1次速報で未反映だった6月分の生産動態統計などを反映し、供給側推計値もやや上方修正されるとみられる。金融・保険業の設備投資の減少が下押し要因となるものの、全体として設備投資は2次速報で小幅上方修正されると予想する。

4-6月期の設備投資は2四半期連続の減少となる見込みだが、これをもって設備投資の基調が弱いと判断する必要はない。企業収益は大幅な増加が続いており、投資余力は十分にある。人手不足への対応を目的とした省力化投資やデジタル・AI・データセンター関連投資など構造的な需要も引き続き強い。中東情勢悪化に伴って一時的に投資実行が慎重化した可能性はあるものの、企業の設備投資意欲そのものは底堅く、先行きは持ち直しに向かうとみている。

民間在庫変動は前期比寄与度+0.4%Ptと、1次速報の同+0.3%Ptから上方修正を予想する。法人企業統計の結果を受けて、1次速報段階では仮置きされていた仕掛品在庫や原材料在庫が修正されることで、在庫のプラス寄与はやや拡大する見込みである。

公共投資は前期比▲0.6%と、1次速報の同▲0.1%から下方修正を予想する。1次速報で未反映だった6月分の建設総合統計の結果が下振れたことが影響するだろう。

個人消費は前期比+0.1%と、1次速報の同▲0.0%から僅かに上方修正されると予想する。6月分の生産動態統計やサービス産業動態統計調査などの結果が反映されることが影響するとみられる。

図表
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新家 義貴


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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