- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は政策金利を10月に1.25%とした後、27年末までに2.0%とするだろう。
- FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
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ここへ来て日銀が9月にも利上げに踏み切るとの観測が盛り上がっている(筆者は10月を予想)。日銀は為替安定を通じて、基調的な物価上昇率が2%を上振れていかないように緩和度合いを調節する、という予想・期待が強くなっている。では、日銀の利上げによって円安傾向が終わるかといえば、それは難しいと考える。一方で筆者は163円超えて円安が進行するとも予想していない。
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理由は主に2つ。ひとつは、日米協調介入によって、大きな壁が163円近辺に作られたことがある。政府対投機筋という負けられない闘いに、米政府が参戦したことの「精神的」な意味合いは大きい。参戦した以上、米政府は円安抑制に失敗したという黒歴史を作りたくないだろう。そしてもうひとつは、米金利低下によってドル安主導の円高が進むと考えていることがある。米国は原油高によってヘッドライン・インフレ率こそ高まっているものの、エネルギーを除いたコア物価は落ち着いており、その背景にある賃金上昇率も安定していることから、現在織り込まれている利上げ観測は徐々に後退していくと考えられる。筆者は引き続きFF金利が年内は据え置かれると予想しており、来年には利下げの環境が整うとみている。そうした環境が現実のものになれば、米金利は低下し、ドルは弱含むだろう。なお、FF金利先物が利上げを常に織り込んでいるのは、ウォーシュ議長が多くを語らない姿勢を維持しているため、唐突な利上げに対する保険的な動きがあるとみられる。
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日銀の利上げが円高に結びつかないと考えるのは、ドル円と日米金利差の説明力が落ちている一方、米10年金利単独との相関が依然として強いことが一つである。日米金利差は2025年以降に主として円金利上昇によって1%pt以上縮小したものの、これまでのところ円高方向への動きは観察されていない。このことは、日本の金利上昇が為替動向に重要な変化をもたらさなかったことを意味する。
- もうひとつ重要な事実は、金融政策が中立的な韓国においても通貨安に歯止めがかかっていないことがある。円安を巡っては、日銀の緩和的な金融政策が槍玉にあげられることが多い。しかしながら韓国の事例を踏まえると、「日銀説」には疑問が生じる。韓国の政策金利は2.75%であり、同国の消費者物価上昇率と比較すると引き締め寄りの中立であり、実質金利(政策金利-消費者物価上昇率)はプラス圏で推移している。ここで米韓金利差とウォン相場に目を向けると、やはり説明力が落ちている。円と同様に、ウォンも米10年金利単独との相関はさほど崩れていない。これら簡潔なデータから言えることは、円もウォンも米金利の変動が主要な要素であるということであろう。米国の金融政策については、年初の段階で2回の利下げが見込まれていたものが、原油高を受けて1回超の利上げが織り込まれるに至った。そうした過程でドルが買われることに違和感はない。
- 日銀の利上げが円高要因であること自体は間違いないが、威力は小さいと考えるべきであろう。仮に9月に利上げを実施しても、為替相場が転換するには米金利の低下を待つ必要があるように思える。
藤代 宏一
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