- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
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USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
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日銀は政策金利を10月に1.25%とした後、27年末までに2.0%とするだろう。
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FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
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筆者は次回利上げを10月と見込む。これまで「半年に一度の利上げ」を念頭に12月と予想してきたが、①6月会合以降に蓄積されたインフレ関連指標が上向いたこと、それらを踏まえて②展望レポートの「基調的な物価上昇率」に関する記述に変化があったこと、③植田総裁の記者会見で「利上げペースを速める」可能性に言及があったこと、④日米協調為替介入の前後でベッセント財務長官が複数回にわたり、日本の政策に言及していること等がある。
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①のインフレ関連指標は、日銀短観(6月調査)で示された企業の強気な価格設定行動が大きいとみられる。向こう1年程度のインフレ動向を読むうえで有用な、企業の販売価格見通し(全規模・全産業)は、企業が予想する日本の全般的な物価上昇率を有意に上回り、鋭角に上昇している。その点は展望レポートのBOXに取り上げられていた。「企業間取引における物価上昇圧力」と題する分析では、石油製品を中心に化学製品の価格転嫁が過去に類をみない早さで進んでいることなどから企業の価格設定行動が一段と積極化していることが示された。またその背景には、AI関連需要の高まりに伴う銅(非鉄金属)や半導体の価格高騰もあるとして、「(AI関連投資は)短期的には、投資ブームによる総需要拡大効果の方がまさり、物価押し上げ圧力として働くと考えられる」との見方が示された。この間、債券市場で観察される予想インフレ率(10年BEI)は原油価格の落ち着きを映じて低下したものの、日銀のインフレ警戒感は高まっている。

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②について、展望レポートでは「基調的な物価上昇率」の現状認識に変化がみられた。端的に言うと、これまでは「基調的な物価上昇率を2%まで引き上げていく」ことに軸足が置かれていたが、7月は下記のとおり「2%を上振れてしまわないように」という含意が感じ取れるようになった。
<7月展望レポートの記述>
基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、 基調的な物価上昇率を2%程度の水準で安定させていくという観点が重要になると考えている。 -
③植田総裁はこの点について、基調的な物価上昇率が2%を超えて上振れするリスクについて「無視できない大きさの可能性がある」とした。また「基調物価が2%をかなり下回っているときは、われわれの予測が間違えて基調物価が上振れしても、それはそんなにコストが高いものではないということであったわけです。現在2%に近くなっているところで、上振れ要因が顕現化して、本当に上振れたとしますと、それは大きなマイナスになる」と警戒感を露わにした。そのうえで「このままでは金融環境が緩和的に過ぎるというふうに思えば、それは利上げのペースを速めるということも十分あり得るということだと思います」と、やや踏み込んだ言及があった。
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そして④の日米協調為替介入の実施と、その前後のベッセント財務長官の発言である。米長期金利の上昇を回避したい米国側にとって、米国債売却を伴う円買い・ドル売り介入は都合が悪い。世界最大の米国債保有国である日本の為替介入が起点となり、中間選挙前に米債市場が揺らぎ、金融市場が不安定化する可能性を米政府は懸念していたとみられる。ベッセント財務長官は為替介入の直前にあたる7月30日に「円は非常に過小評価されている」とし、その後、「Buy Japanese Yen $5-10 bil」と書いたメモが報道された(させた)。さらに8月2日にはX(SNS)で「円の著しい過小評価を是正する日本の断固たる市場・金融政策上の措置を強く支持する」、「追加の協調介入をためらわない」と、片山さつき財務大臣の談話と歩調を合わせた。そして8月4日にはNHKの単独インタビューで「植田総裁とは15年以上の知り合いで、絶大な信頼を寄せている。日本経済にとって最善の措置を講じると確信している」と発言。同日実施された日経新聞との単独インタビューでも同様の趣旨の見解を示した。これら発言が日銀に利上げを促しているかは判然としないが、OIS金利をみる限り市場参加者は最近のベッセント財務長官の発言等を受けて利上げを織り込むようになっている。OIS金利から逆算した9月の利上げ確率は58%、10月までのそれは97%と利上げが確実視される状況にある。
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これらを踏まえると、日銀は次回会合の9月にでも利上げに動く可能性がある。ただし、時間的間隔が3ヶ月に短縮すること、日銀短観(9月調査)の結果を精査したいこと、展望レポートの公表に合わせた方が説明しやすいこと等を踏まえると、やはり10月の蓋然性が高いと現時点で判断している。
藤代 宏一
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