- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は政策金利を26年12月に1.25%とした後、28年央までに2.0%とするだろう。
- FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。
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筆者が日本経済と株式市場の行方を読む上で定点観測している日本の鉱工業生産は、2026年5月に前月比+0.5%となり、市場予想に概ね一致した。経産省の予測補正値(同+2.1%)に対しては下振れたものの、2ヶ月連続の増産となった。増産となった上位3業種は輸送用機械工業(除く自動車)と、原油の代替調達が進んだ影響とみられる無機・有機化学工業、石油・石炭製品工業であった。反対に減産となった上位3業種は、汎用・業務用機械工業、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業であった。
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6月初旬に実施された生産予測調査に基づけば、製造工業の生産計画は6月に前月比+3.7%となった後、7月は同±0.0%が見込まれている。経産省経済解析室が生産予測指数の上振れバイアスを補正した6月の予測値は同+2.6%であった。その通りになれば3ヶ月連続の増産となり、生産の基調は上向くことになる。もっとも、生産活動全体の方向感を決める輸送機械工業は5月(実績)に前月比▲0.9%となった後、6月(計画)に同▲0.5%、7月に同▲0.2%の減産計画と盛り上がりを欠く。ホルムズ海峡の問題によって中東地域向けの輸出が大幅な減少を強いられており、その影響が続くものと考えられる。もっとも、生産活動の先行指標として有用な製造業PMIが4月以降の3ヶ月に有意な上昇を示していることから判断すると、製造業全体としてはAI・半導体需要が浸透する形で増勢が増していくと期待される。
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なお、鉱工業生産指数は生産の「数量」に重きを置いて生産高を計測する統計であり、「付加価値」を直接捕捉する性格のものではない。例えば、高付加価値を狙った品質向上によって生産数量・重量が減少する場合、統計上はそれを減産と見做し、付加価値を過小評価してしまうこともある。したがって、鉱工業生産統計が示すほど日本経済(製造業)の付加価値創出力が停滞していない可能性を念頭に置く必要がある。事実、過去数年は付加価値の合計である実質GDPと鉱工業生産指数の水準・方向感の乖離が大きくなっている。
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株式市場における重要度が高い電子部品・デバイス工業については、前月比+1.3%と3ヶ月連続の増産となった。ICの増産に一服感がみられる一方、コンデンサや電子回路基板などで増産の動きがみられる。この間、生産用機械工業に分類される半導体製造装置は同▲0.4%の減産となったものの、3ヶ月平均値では同+1.9%とプラス基調を維持している。生産予測調査に目を向けると、半導体製造装置が含まれる生産用機械工業は6月に同+12.1%と大きく伸びた後、7月も同+5.8%と増産が見込まれている。個別企業の業績予想などから判断しても、先行きは半導体製造装置の増産がかなりの高確度で期待できる。
- 電子部品・デバイス工業の動向を仔細にみると、5月は出荷が前年比+12.4%へと伸びを高めると同時に、在庫も同+3.1%と増加した。この結果、出荷・在庫バランス(両者の前年比差分から算出)は+9.3ptへと拡大し、3ヶ月平均でも+8.0ptとプラス領域を維持。製品需給が引き締まる方向にあることが示唆されている。ここで電子部品・デバイス工業の出荷・在庫バランスと、日経平均株価が長期的に連動性を有してきた事実を再確認したい。株価指数において半導体を直接手掛ける企業の存在感は必ずしも大きくはないものの、半導体製造装置、電子部品、化学品など「広義半導体」で見ればその存在感は大きく、結果的に日本株全体のうねりを作り出す構図があると筆者は理解している。直近の株式市場では通信系の投資会社、半導体製造装置、非鉄金属、化学などに物色の対象が向かっているため、株価指数と電子部品・デバイス工業の出荷・在庫バランスとのかい離が大きくなっているものの、方向感は一致している。
- 最後に先行きの出荷・在庫バランスを見極めるために在庫循環図の位置取りを確認すると、直近12ヶ月は、中心点付近で渦を描いてきたが、最近は右方向への動きが明確化している。過去の経験則に従えば、今後は右上領域(在庫増・出荷増)に向けて力強く歩み出すと予想される。現時点では、積極的な在庫積み増し局面には至っておらず、この点において「相場はまだ若い」とも言える。

藤代 宏一
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