- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月43,000円程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう。
- 日銀は半年に一度の利上げを続け、2026年1月までに政策金利は1.0%に到達しよう。
- FEDはFF金利を25年末までに4.0%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
金融市場
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前営業日の米国市場は、S&P500が▲2.0%、NASDAQが▲2.7%で引け。VIXは21.7へと上昇。
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米金利はカーブ全体で金利低下。予想インフレ率(10年BEI)は2.369%(▲3.2bp)へと低下。
実質金利は1.879%(▲7.8bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+33.5bpへとプラス幅縮小。
- 為替はJPYが最強。USD/JPYは149後半へと低下。コモディティはWTI原油が69.4㌦(▲0.6㌦)へと低下。銅は9794.5㌦(▲52.0㌦)へと低下。金は3086.5㌦(+25.5㌦)へと上昇。
注目点
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日本の2025年2月鉱工業生産は前月比+2.5%と4ヶ月ぶりの増産となった。市場予想(同+2.0%)を上回り、経産省経済解析室の予測値(同+2.3%)に対しても上振れた。増産となったのは生産用機械(半導体製造装置)、電子部品・デバイス工業(メモリ、コンデンサ)、化学工業(合成洗剤)など9業種、その反面減産となったのは自動車を除く輸送用機械、無機・有機化学工業など6業種。自動車工業は同+0.2%と概ね横ばいであった。
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3月初旬に実施された生産予測調査に基づけば、製造工業の生産計画は3月が前月比+0.6%、4月が同+0.1%と増産となっている。経産省経済解析室が生産予測指数の上振れバイアスを補正した3月の予測値も同+0.6%の増産となっており、仮にこの通りになれば2024年以降のレンジ上限を突破することになる。
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鉱工業生産全体の方向感を決める自動車工業は、大手メーカーの工場稼働停止によって2024年1-3月期に垂直的落下を経験した後、大幅な振れを伴い回復傾向にあったが、このところ回復が一服しており、生産水準は認証不正問題が表面化する以前の2023年10-12月期をなお下回った状態にある。この間、需要側に大きな問題が発生していないことを踏まえれば、先行きは増産の余地があり、鉱工業生産全体を押し上げる役割が期待されるが、米国の関税引き上げに伴う現地需要の減衰が懸念される他、日本から米国への生産移管が加速し得ることを踏まえれば、増産傾向が頓挫する可能性は否定できない。実際、輸送機械工業の生産計画は3月に同▲5.2%となった後、4月は同▲4.1%と2ヶ月連続の減産となっている。過去数年の世界的供給制約によって積み上がった潜在需要は豊富に存在しているとはいえ、当面は米国の政策不透明感もあり、はっきりとした増産には至らない公算が大きい。
- 自動車と並ぶ重要産業である半導体関連については、電子部品・デバイス工業が前月比+10.1%と急激な増産となった。これまで基調的な弱さが認められていたが、ここへ来て下げ止まりの兆しが窺える。なお、2月の増産に熊本工場の生産分が反映されたかは判然としない。また生産用機械に分類される半導体製造装置は同+20.2%となり、しかも3月以降も増産計画が示された。関連指標の機械受注統計(機種別集計の電子計算機等)も反転の兆候があり、半導体製造装置の引き合いがなお底堅いことがわかる。

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株式市場と関連の深い電子部品・デバイス工業の生産に目を向けると、上述のとおり1月の生産は前月比+10.1%となり、前年比では+5.4%へと伸び率が拡大した。生産計画は3月に前月比+0.7%となった後、4月も同+2.4%の増産と堅調。次に電子部品・デバイス工業の出荷と在庫に注目すると、2月は出荷が前年比+2.7%と5ヶ月ぶりにプラス圏に浮上も、在庫は同▲6.6%へとマイナス幅が縮小したことから、出荷・在庫バランス(両者の前年比差分から算出)は+9.3Ptへと僅かに上昇した。もっとも、3ヶ月平均では+8.6ptと下向きの曲線を描いており、大きくみれば需給は弛む方向にある。
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ここで長期的に電子部品・デバイス工業の出荷・在庫バランスと、日経平均株価が連動性を有してきたことを再確認したい。株価指数において半導体を直接手掛ける企業の存在感は必ずしも大きくはないが、半導体製造装置や化学品など「広義半導体」で見ればその存在感は大きく、結果的に日本株全体のうねりを作り出す構図があると筆者は理解している。
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先行きの出荷・在庫バランスを見極めるために在庫循環図の位置取りを確認すると、現在は右下領域(在庫減・出荷増)から左下領域(在庫減・出荷減少)へと逆走し、膠着状態にある。過去の経験則に従えば、今後は在庫積み増しによって右上領域(在庫増・出荷増)に向けて北上すると予想されるが、AI向け半導体以外の持ち直しが緩慢であることから、その速度は緩やかなものになる可能性がある。
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株式市場との関連で言えば、出荷・在庫バランスが上向きに転じている局面は、半導体市況に反転の兆しが見えてきた頃に概ね一致し、関連企業の業績下振れリスクが後退することで、株価は大きく上昇する。まさに相場格言で言うところの「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」状況と言える。それに対して出荷・在庫バランスが下り坂に転じている現在の状況は「(強気相場は)楽観の中で成熟」あるいは「幸福感の中で消えていく」に近いものがあり、ここから出荷・在庫バランスが更に伸びを高める可能性が低いことを踏まえると、株価が反転上昇する展開は描きにくい。もっとも、株価は既に前年割れの状態にある。もちろん株価は半導体だけで決まる訳ではないが、この尺度で見る限り、下振れリスクは限定的と言えるのではないか。

藤代 宏一
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