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工作機械受注が教えてくれる景況感(23年4月) 「旬」到来か

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
  • USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
  • 日銀は現在のYCCを10‐12月期に修正するだろう。
  • FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)で据え置くだろう。利下げは10-12月期を見込む。
目次

金融市場

  • 前日の米国株は上昇。S&P500は+0.3%、NASDAQは+0.7%で引け。VIXは17.1へと上昇。
  • 米金利はベア・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.206%(+1.6bp)へと上昇。実質金利は1.298%(+2.4bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲51.3bpへとマイナス幅縮小。
  • 為替(G10通貨)はJPYが下落。USD/JPYは136前半へと上昇。コモディティはWTI原油が71.1㌦(+1.1㌦)へと上昇。銅は8272.5㌦(+19.5㌦)へと上昇。金は2022.7㌦(+2.9㌦)へと上昇。

米国 イールドカーブと名目金利・予想インフレ率・実質金利(10年)と長短金利差(2年10年)
米国 イールドカーブと名目金利・予想インフレ率・実質金利(10年)と長短金利差(2年10年)

米国 イールドカーブ
米国 イールドカーブ

米国 イールドカーブ(前日差)
米国 イールドカーブ(前日差)

米国 名目金利・予想インフレ率・実質金利(10年)
米国 名目金利・予想インフレ率・実質金利(10年)

米国 長短金利差(2年10年)
米国 長短金利差(2年10年)

経済指標

  • 5月米NY連銀製造業景況指数は▲31.8と市場予想(▲3.9)に反して極めて大幅に悪化。ただし、この指標は季節調整の歪み等から直近半年程度は著しく振れが大きくなっており、5月の急低下が実勢を反映したものなのかは疑わしい。一方で(数値が比較的安定している)期待項目は業況(+6.6→+9.8)が改善した反面、雇用(+13.4→+7.5)と設備投資(+16.5→+0.9)が悪化。当面の企業支出は抑制的になる可能性がある。

NY連銀製造業景況指数とNY連銀指数(期待項目)
NY連銀製造業景況指数とNY連銀指数(期待項目)

NY連銀製造業景況指数
NY連銀製造業景況指数

NY連銀指数(期待項目)
NY連銀指数(期待項目)

注目点

  • 昨日発表された工作機械受注統計(日本工作機械工業会)によると4月の受注額(原数値)は1327億円であった。前年比伸び率(原数値)は▲14.4%とマイナス圏推移も、3月からは小幅に下落率縮小。筆者作成の季節調整値は前月比+8.4%、1391億円と2ヶ月連続で増加。内訳は「国内向け」が季節調整済み前月比+7.7%、原数値前年比▲21.2%、「外需」は前月比+8.1%、前年比▲10.9%であった。

工作機械受注
工作機械受注

工作機械受注
工作機械受注

工作機械受注
工作機械受注

  • 日本の工作機械受注は、そのサイクルがグローバル製造業PMIやアナリストの業績予想(TOPIX予想EPS)と連動性を有する。4月グローバル製造業PMIは49.6であった。中国経済の回復ペースがやや鈍るのを横目に、欧米経済の減速ペースが和らぎ、日本や韓国などが持ち直したことで3月対比横ばいとなった形。この間、日本企業の業績予想(TOPIX予想EPS)は伸び率が鈍化しているとはいえ、内需の底堅さに支えられ、水準は持続的に高まっている。米国経済減速に対する懸念は根強いものの、今後中国経済の持ち直しが持続する下、半導体市況が最悪期を脱出すれば、製造業のサイクルは上向きに転じる可能性が高まる。

工作機械受注・グローバルPMIと工作機械受注・予想EPS
工作機械受注・グローバルPMIと工作機械受注・予想EPS

工作機械受注・グローバルPMI
工作機械受注・グローバルPMI

工作機械受注・予想EPS
工作機械受注・予想EPS

  • 工作機械受注サイクルの位置取りを確認するために縦軸に受注額の水準(36ヶ月平均からの乖離)、横軸に方向感(6ヶ月前比)をとった循環図をみると、直近は左上局面(高水準・伸び率マイナス)を下方向に進んでおり、これは受注が比較的高水準を維持するものの、その勢いが鈍化していることを意味している。過去の経験則に従うなら今後の受注は高水準から減少を続け、左下方向(低水準・伸び率マイナス)への軌道を描くと予想される。ただし、今回は既に右方向(6ヶ月変化率がプラス方向)への動きが観察されており、下方向への圧力も和らいでいる。既に最悪期を脱したか否かは微妙なところだが、今次サイクルの特殊要因として中国経済の(非循環的な)回復がある他、半導体不足解消に伴い自動車向けの受注増加が期待されることを踏まえると、今後「左下」方向へ深く掘る姿は想像しにくくなった。「業績反転を先取りする」という視点では、今は「旬」に近い印象だ。

工作機械受注
工作機械受注

藤代 宏一


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