- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを6-7月に修正するだろう。長期金利の変動許容幅拡大を見込む。
- FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)まで引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。S&P500は▲1.6%、NASDAQは▲2.0%で引け。VIXは18.8へと上昇。
- 米金利はブル・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.249%(▲3.2bp)へと低下。実質金利は1.149%(▲5.8bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲55.7bpへとマイナス幅縮小。
- 為替(G10通貨)はJPYが最強。USD/JPYは133後半で推移。コモディティはWTI原油が77.1㌦(▲1.7㌦)へと低下。銅は8528.0㌦(▲202.5㌦)へと低下。金は1994.0㌦(+4.9㌦)へと上昇。
経済指標
- 2月ケース・シラー住宅価格指数は前月比+0.06%と僅かながら8ヶ月ぶりに前月比上昇。3ヶ月前比年率では▲3.36%へと低下幅縮小、同3ヶ月平均では▲4.72%と低下ペースは鈍っている。前年比では+0.36%と伸び率鈍化傾向にあるものの、岩盤到達が近いことを示唆している。

- 4月米CB消費者信頼感指数は101.3と3月から小幅に低下。雇用統計の先行指標として有用な雇用判断DIは+37.3へと僅かに上昇。採用市場における労働者優位の構図に大きな変化がないことを示唆している。
- 3月米M2は前年比▲4.1%と4ヶ月連続の減少。既往の金融引き締めにより非金融部門に存在するおカネの総量は減少傾向にある。ちなみに日本は前年比+2.1%と増加が続き、ユーロ圏(2月)は+3.2%であった。

注目点
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4月28日の金融政策決定会合は基本的に金融政策の現状維持を予想する。植田総裁は、総裁就任会見で「YCCを含む現在の金融緩和は適切」であるという趣旨の見解を繰り返しており、額面通りに受け止めれば4月会合における政策変更の可能性は低いと判断するのが自然だろう。
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もっとも、予想外の政策修正に対しても一定の警戒が必要。その点、①海外金利の安定に伴って長期金利の上昇圧力が限定的になっていること、②2%を超える春闘賃上げ率(ベア相当部分)が実現していることは重要。
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①について日銀が出口戦略にあたって最も避けたい長期金利の急騰は、その危険性が低下している。仮にYCCを撤廃したとしても、10年金利が0.5%以下の領域で推移している現在の状況であれば、長期金利を穏健に市場へ解放できる可能性が高い。
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②は賃金と物価の相互刺激的な上昇に自信を持たせる。春闘で約30年ぶりの高い伸び率が実現したことで、毎月勤労統計ベースの所定内給与は2023年度入り後に2%超の伸びが期待される。そうした中、観測報道によると今回の展望レポートで示される物価見通しは2023年度が2%程度に引き上げられ(1月時点は+1.6%)、2024-25年度は1%後半になるという。もはや日銀の見通しは「物価上昇は一時的」ではなくなっており、そうした認識の下でYCCを修正すること自体に違和感はない。これらを重視するならば4月会合で動くことは理にかなっていると言える。
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日銀が試算する「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」をみても、消費者物価は過去に類を見ない上昇傾向にある。これらの上昇要因が輸入物価に偏重している点には留意が必要だが、今回の特徴は賃金の上昇を伴っているという点でも過去と異なっており、非連続的な変化と言える。植田総裁はこれをどう評価するだろうか。

- また「コロナを理由とする金融緩和」が消費期限を迎えつつあることも重要。この点については当レポートで繰り返し言及してきた。以下に4月18日付レポートを抜粋、貼付する。
(4月会合において)YCCの修正は無くともフォワードガイダンスが変更され、それがYCC修正の布石と捉えられる可能性には注意したい。その点、筆者は引き続き新型コロナの感染症法上の分類変更が重要であると認識している。日銀は2020年4月より「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」というフォワードガイダンスを維持している。端的に言えば、緩和継続(YCC)の理由がコロナに紐づいており金融緩和を継続する一つの根拠になっている形だ。感染症法上の分類が変更され、また企業の資金繰りが安定しているにもかかわらず、日銀がいつまでもコロナを理由に緩和姿勢を維持する方針を掲げておくことは不自然だろう。日銀短観では貸出態度が厳格化し、資金繰りが窮屈になっている様子が映し出されているが、その度合いは限定的と言え、特例的な政策対応の必要性は薄れている。政府と日銀が政策態度の足並みを揃える必要があるという点において、新型コロナの感染症法上の分類変更は重要な論点と考えられる。
- 仮にフォワードガイダンスから「コロナ」を削除するとしたら、「当面~(中略)~講じる」部分を削除するだけに留まるだろうか。一つの選択肢として考えられるのは、それに付随して「(政策金利について)または、それを下回る水準」を削除することであろう。利下げバイアスの削除それ自体に大きな意味はなくとも「布石」としての役割は十分に果たせる。
- これらを踏まえると4月は動かなかったとしても、6~7月に向けてYCC修正が決定される可能性は高いと考えられる。もっとも日銀が裏をかき4月に動く可能性も一定程度は注意したい。
藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。









