- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月137程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを少なくとも2023年4月までは維持するだろう。
- FEDは23年3月までにFF金利(誘導目標上限値)を5.0%へと引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。NYダウは▲0.1%、S&P500は▲0.8%、NASDAQは▲1.5%で引け。VIXは24.1へと低下。
- 米金利カーブはツイスト・フラット化。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.322%(▲2.9bp)へと低下。実質金利は1.373%(▲5.6bp)へと低下。
- 為替(G10)はUSDが中位程度。USD/JPYは140近傍で一進一退。コモディティはWTI原油が85.6㌦(▲1.3㌦)へと低下。銅は8293.5㌦(▲83.0㌦)へと低下。金は1775.8㌦(▲1.0㌦)へと低下。
経済指標
- 10月米小売売上高は前月比+1.3%と市場予想(+1.0%)を上回った。ガソリン(+4.1%)、自動車(+1.3%)が押し上げたが、それらを除いても+0.9%と堅調でそこから更に建材等を除いたコア小売売上高は+0.7%とまずまずの仕上がりであった。コア小売売上高の3ヶ月前比年率(3ヶ月平均)は+6.9%とやや減速基調にあるが、それでも消費が急減速している気配はない。

- 10月米鉱工業生産は前月比▲0.1%と市場予想(+0.1%)に反して減産。鉱業が前月比▲0.4%、公益が▲1.5%とそれぞれ減産となる中、製造業生産は+0.2%と4ヶ月連続の増産。注目の自動車生産は+2.0%と2ヶ月連続の増産となり、水準はパンデミック発生前を明確に上回った。10月の自動車販売台数は1490万台とパンデミック発生前の水準を200万台程度下回っているが、先行きは供給制約の解消に伴って回復が見込まれる(新車販売台数は納車時点で計上される)。
注目点
- 住宅建設業者の景況感を表す11月NAHB住宅市場市場指数は33と市場予想を下回り10月から5pt低下。リーマンショック時の大底こそ上回るものの、パンデミック発生直後の混乱期に近く、住宅市場の急激な悪化を映じた。既往ピークの2021年12月からの低下幅は51ptと極めて大幅かつ急速で、これは2000年代半ばの住宅バブル崩壊局面を凌ぐ勢いである。

- 背景にあるのは住宅ローン金利上昇。30年固定金利は年初の3%台半ばから一時は7.16%へと上昇。直近は6.90%へと低下したものの、依然として住宅取得の逆風となっている。そうした下で消費者の住宅取得環境を示す住宅購入余裕度指数(Housing Affordability Index)は9月時点で96.6と歴史的低水準に沈み、平均的な家計にとって住宅取得が高嶺の花になりつつあることを映じている。この間に住宅ローン申請指数(新規)は急低下。直近の水準はパンデミック発生直後の混乱期すら下回っており、既にパンデミック発生前の水準以下へと落ち込んでいる住宅販売件数(新築・中古の合計)が更に減少することを示唆している。固定金利型の住宅ローンが一般的である米国においては既存の借入金返済が困難となり、住宅ローン延滞率が上昇する事態は回避できているが、今後、景気減速によって雇用所得環境が悪化する下で住宅販売市場が厳しさを増せば、保有不動産の売却が困難となり、その結果として延滞率が上昇したり、差し押さえ率が上昇したりする可能性は否定できない。
- 最近の住宅市場の冷え込みはインフレ退治を最優先課題とするFedにとって現在のところ朗報だろう。金利に敏感な住宅セクターの落ち込みは事前に予想されたことであり、飽くまで「住宅ブームの終焉」程度の認識とみられる。もっとも、パウエル議長をはじめ複数のFed高官は、既往の金融引き締めが実体経済に与えるまでのタイムラグを注視する構えをみせている。その点、過去数ヶ月のNAHB住宅市場指数の急低下は、Fed高官に景気のオーバーキルに対する懸念を幾分喚起したと推察される。
藤代 宏一
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