【1分解説】アテンションエコノミーとは?

野﨑 ひばり

  音声解説

アテンションエコノミーとは、現代社会において「人々の注目(アテンション)」が希少かつ価値ある資源となり、それ自体が経済的価値を持つ仕組みを指します。企業や個人は限られたユーザーの注意を獲得しようと競争しており、サイトの閲覧時間や動画の再生数、「いいね」数などが注目度を測る指標となっています。注目の獲得は収益や影響力に直結するため、この競争はますます激化しています。

たとえば、SNSではアルゴリズムによって最適化されたフィードを表示し、ユーザーの関心を引き続けることで長時間の滞在を促します。これにより広告表示回数が増え、広告収入が拡大します。また、アテンションエコノミーは選挙活動にも大きな影響を及ぼしており、政治家や政治団体もSNS上で注目を集めることを重視しています。特に、演説や討論の一部を短く編集した「切り抜き動画」の急増が、選挙への影響力を高めています。

一方で、この仕組みのもとでは情報の多様性が失われ、同じ意見ばかりが強化される「エコーチェンバー」や、自分の興味・関心に偏った情報しか目にしなくなる「フィルターバブル」が生じやすくなります。さらに、注目を獲得しようとフェイクニュースや扇情的なコンテンツも拡散されやすくなり、社会の分断や知的多様性の低下といったリスクも指摘されています。

この解説は2025年7月時点の情報に基づいたものです。

野﨑 ひばり


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。