【1分解説】スタグフレーションとは?

野﨑 ひばり

  音声解説

スタグフレーション(Stagflation)は、経済成長の停滞(Stagnation)と持続的な物価上昇(Inflation)が同時に発生する特異な経済状況を指す用語です。この言葉は、1965年に当時の英国保健大臣イアン・マクロードが、自国の経済状況を説明する際に初めて用いたとされています。

スタグフレーションを引き起こす主な要因として、予期せぬ供給ショックや生産コストの増大、戦争などの地政学的リスク、経済政策の失敗などが挙げられます。過去の事例では、1970年代のオイルショックが代表的です。主要産油国による原油価格の大幅な引き上げと生産量の削減は、世界的なエネルギー供給不足を引き起こし、急激な物価高騰と景気後退を招きました。

足元でも、スタグフレーションへの懸念は高まっています。ウクライナ情勢の緊迫化による資源価格の上昇などが多くの国で物価高騰をもたらしており、そのことが消費の停滞に繋がっています。特に米国では、トランプ政権による各国への関税措置が、さらなる物価上昇と景気悪化のリスクを高めており、今後の政策動向が市場に与える影響に注目が集まっています。

この解説は2025年5月時点の情報に基づいたものです。

野﨑 ひばり


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