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【1分解説】特定最低賃金とは?

須藤 智也

特定最低賃金とは、最低賃金法で国が定めた最低限度の賃金のうち、「特定の産業」ごとに設定されるものを指します。都道府県ごとに定められる最低賃金である「地域別最低賃金」よりも通常、高い金額で設定されます。設定が認められる産業は、関係労使の申出により最低賃金審議会が調査審議を行い、必要性を判断したものに限られます。

「特定の産業」には、「全国を適用地域とする業種」と「都道府県別に設定される業種」があります。2025年3月末時点では、前者には非金属鉱業の一部が該当し、後者には自動車製造業、鉄鋼業、電子部品製造業、百貨店、総合スーパーなどが該当しています。

特定最低賃金の適用は、社会的役割が高く賃金水準が低い業種にみられます。最近、適用が検討されている業種の一例が介護分野です。厚生労働省「介護保険事業状況報告」によると、2023年度の要介護(支援)認定者数は約705万人で、前年度の約697万人から増加しています。一方で、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によると、2023年度の介護職員数は約212.6万人で、前年度の約215.4万人から減少しています(資料)。介護分野では人材の確保・維持が課題です。就業意欲向上のため、特定最低賃金の適用を含めた処遇改善の議論が求められています。

図表1
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この解説は2025年4月時点の情報に基づいたものです。

須藤 智也


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

須藤 智也

すどう ともや

総合調査部 副主任研究員
専⾨分野: 社会保障(介護・高齢者)、人と組織

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