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- 【1分解説】防衛的賃上げとは?
防衛的賃上げとは、企業業績の改善が見られない中でも賃上げを行うことを指します。反対に、業績が好調または改善しているために賃上げを実施することを前向きな賃上げということもあります。
ここ数年、中小企業を含む社会全体での賃上げ率は高水準を記録していますが、防衛的賃上げがその半数以上を占めているという調査もあります。特に運輸業、小売業や製造業等の中小企業において、防衛的賃上げを実施する割合が高いとされています。
企業が防衛的賃上げを実施する主な目的の一つとして、人材の確保・採用が挙げられます。人手不足が深刻化する中、多くの企業は従業員の流出を防ぎ、新たな人材を獲得するため、やむを得ず賃上げを実施しているのが現状です。また、近年の物価上昇を受けた、従業員の生活を維持するための対応という側面もあります。
原材料等のコスト増加などにより、多くの企業にとって業績を改善し、賃上げ原資を確保することが難しい状況です。近年、政労使の積極的な呼びかけにより、賃上げ機運の高まりが見られますが、継続的な賃上げの実施に向けて、各企業の稼ぐ力を高めるための生産性向上や、サプライチェーン全体での労務費を含めた適切な価格転嫁等の取組みが求められます。
この解説は2025年3月に公表した後、2025年5月時点の情報に基づき改訂したものです。
岩井 紳太郎
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

