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【1分解説】EU-ETSとは?

牧之内 芽衣

  音声解説

EU-ETSとは、EUが環境政策の一環として導入した排出量取引制度のことです。企業が排出できる温室効果ガスの量に上限(キャップ)を設けることで、排出量の削減を目指します。排出量が枠を超過した場合には市場から排出枠を購入する必要があります。逆に、排出量が枠を下回った場合は、余剰分を他の企業に売却することができます。このシステムにより、企業は排出削減に向けた技術開発や設備投資を積極的に行うインセンティブを得ることになります。

EU-ETS は2005年に当時EUに加盟していた25か国に導入されました。2005~2007年が試用期間の第1フェーズ、2008~2012年が第2フェーズ、2013~2020年が第3フェーズ、2021~2030年を第4フェーズと、徐々に制度を厳格化しつつ運用されています。

第1フェーズでは、発電所や製鉄所、セメント工場など、エネルギー集約型の大規模施設に年間の温室効果ガス排出枠が割り当てられ、その後徐々に航空や海運などの部門が対象に追加されてきました。また、当初は対象企業には無償で排出枠が割り当てられましたが、次第に無償割当の割合が狭められており、2034年には完全廃止が予定されています。

EU-ETSは、経済成長と環境保護の両立を目指す先進的な取り組みとして、世界各国から注目されています。

資料 EU-ETSのフェーズ
資料 EU-ETSのフェーズ

この解説は2024年10月時点の情報に基づいたものです。

牧之内 芽衣


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。