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- 時事雑感(2026年4月号)
米国とイスラエルのイランへの軍事攻撃により、世界のマーケットは動揺している。イランは有数の原油生産国であるばかりでなく、世界の原油需要の2割が通過するホルムズ海峡を事実上封鎖したことで、原油価格が高騰しているためだ。原油価格の上昇は、石油関連製品のみならず、化学肥料等を含めた化学製品、輸送コストの上昇など、ありとあらゆるものの物価上昇に繋がると言っても過言ではない。海峡封鎖が長期化すれば、発電を含めた様々な経済活動に支障を来しかねない。
米国は産油国でもあるため、原油の供給面に不安はない。それでも、国際市場で取引されている原油価格が高騰すれば景気には悪影響が及ぶ。この秋に中間選挙を控え、支持率が低迷しているトランプ大統領にとって、泥沼化のリスクも指摘されているイランへの軍事行動は、大きな賭けと言っていい。米国の軍事行動の狙いは、核開発や長距離弾道ミサイルの開発を恐れるイスラエルへの配慮との見方がある一方で、トランプ大統領の重要な支持基盤として挙げられるキリスト教福音派の支持を固める目的との指摘もある。彼らは親イスラエルの信者が多いとされている。
民主主義国家においては、政治家が己の政治信条で国家運営を図ろうと思えば、まず選挙に勝たなければならない。人気取りのあまり、ポピュリズム(大衆迎合主義)に陥って、合理的な政策が後回しになるリスクは常につきまとう。とはいえ、票を固めるために軍事行動に踏み切ったなどということがあれば、それは大きな問題だろう。
ところで、日本では2月に総選挙が行われ、与党が大勝して議席を大幅に増やすことに成功した。勝因の一つに、大半の野党が掲げていた食料品にかかる消費税の軽減税率引き下げ(時限的な無税)を公約にしたことで、選挙の争点潰しとなったことが挙げられている。物価高対策としての効果、財政悪化への懸念などが指摘される中で、理に適った政策とするかどうかは今後の議論次第だ。
嶌峰 義清
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

