Side Mirror(2025年3月号)

佐久間 啓

また、トランプ大統領の発言に一喜一憂、振り回される時代がやってきた。2017年からの第1期政権時代、眉を顰めるような発言も多く、「天下のアメリカ大統領なんだけどなあ…」と感じることもあった。ただ多くの人が、アメリカ合衆国という国を、改めて学んだ時期だったとも言えるのかもしれない。間を挟んで再登板となれば、当たり前だが、前回の経験を踏まえある程度やり方も変えてくるのが普通であるが、今のところ第2期は、こうきたか!というぐらい、第1期に比べて、より“らしさ全開”でスタートしているようだ。

就任前から、「グリーンランドを手に入れる」、「メキシコ湾の名称をアメリカ湾に変更する」、「カナダは51番目の州になるべき」と、MAGA(Make America Great Again)のためには、相手のことにはお構いなしで発言。就任後には、不法移民の強制送還で、コロンビアの対応に激怒して、25%の関税賦課を発表。当日、ディール成立で関税案撤回。カナダ、メキシコへの25%関税も、土壇場で一部ディールが成立し導入延期が決定。数々の発言自体は、超大国アメリカの大統領に全く相応しくないと強く思うが、所謂“衝撃と畏怖“(Shock & Awe)と言われる、最初に衝撃を与え、相手を恐れおののかせて、戦う意欲を奪うやり方で、結果的にディールを成功させている。やり方はお世辞にも上品とは言えないし、“衝撃と畏怖”では信頼関係構築は難しいが、それでも選挙公約を実現しているのも事実で、支持層の支持は揺るぎない。

しかし、自国の周辺を、「それ俺のもの」と平気で言えるのは怖い。どれだけ時代が進んでも、大国と言われる国の指導者には、そうした思いが募るものなのだろうか。それとも、大国と言われる国の国民は、そうした指導者をより熱狂的に支持するようになるものなのだろうか。

いつの時代でも“歴史”は動いているが、安保理常任理事国ロシアが隣国と戦争を始め、経済的な相互関係を構築しながらあらゆる面で覇権を争う米中の対立。“歴史は韻を踏む”と言われる。100年前とは経済規模も、社会構造も科学技術も全く違うが、これから歴史はどんな韻を踏んでいくのだろうか。

(佐久間 啓)

佐久間 啓


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