株高不況 株高不況

「主な意見」 政府に変化

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均株価は先行き12ヶ月66,000円程度で推移するだろう

  • USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう

  • 日銀は政策金利を26年12月に1.25%とした後、28年央までに2.0%とするだろう。

  • FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう。

  • 6月金融政策決定会合における「主な意見」が発表された。タカ派的な記述が多く含まれており、全体的に利上げに前向きな印象を受けた。もっとも、4月会合における「主な意見」との比較で、それほどタカ派度合いが強まっている印象はない。早期利上げ、すなわち10月会合における利上げが意識されるところだが、足もとで原油価格が落ち着いていることを踏まえると、「半年に一度」の時間的間隔が短縮化するかはなお微妙であろう。

  • 今回の「主な意見」で注目されたのは「急激・大幅な利上げを避けるには、政策金利を中立金利に早めに近づけるべきである。中立金利は2%程度と考えられ、これを念頭に数か月に一度のペースで、経済・物価・金融情勢を確認しつつ、都度、検討していくことが望ましい」との記述である。これは4月会合における「主な意見」に記述のあった下記の発言と、同じ委員によるものと推察される。

「中立金利までまだ距離があり、今後、数か月に一度のペースで利上げを続ける必要がある。更に、物価の上振れリスクが高まる場合には、利上げペースを躊躇なく加速する必要がある」

  • 中立金利に関して具体的水準を示したうえで、数ヶ月に一度の利上げが適正であるとの見解が率直に述べられていた。具体性は増したものの、「数ヶ月に一度」という核の部分は変わらない。その他、類似の声としては「米欧と異なり、わが国の政策金利は中立金利の推計レンジを下回っているが、上下両睨みで機動的な政策判断が行えるよう、可能な限り早く中立金利に近付けていく必要がある」というものがあった。当会合が利上げを決定した会合であることを踏まえれば、利上げに前向きな声が多く記述されるのは、ある意味当然であろう。

  • 今回の「主な意見」では政府の見解に変化がみられた。内閣府からの発言として以下の発言があった。 「今回の利上げにつき説明責任を果たすとともに、過度な景気変動が生じた場合には主体的かつ適切な対応が重要である。今後の成長型経済への変化が重要であり、マクロの需給動向と物価の関係の慎重な確認が必要である」

  • 当会合には6月16日に城内 実 経済財政政策担当大臣が自ら出席しており、その点においてこの発言は重みがある。「説明責任」や「慎重な確認」という表現から婉曲的な圧力を感じる人は少なくないだろう。

藤代 宏一


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。