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2026.05.18
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米国:4月小売売上高は鈍化も依然として堅調
~税還付や株高等が下支え、幅広い業種で売上拡大~
桂畑 誠治
1.減速も底堅さ維持
26年4月の小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.5%(前月:同+1.6%)と減速したものの、市場予想中央値(ブルームバーグ集計の同+0.5%)と一致した(筆者予想+0.6%)。過去2、3月分が合計で0.1%上方修正されたほか、前年比では+4.9%(前月:同+4.2%)と高い伸びを維持している。
4月の小売売上高は、前月の高い伸びの反動もあり全体として鈍化した。ガソリンを除くベースでも前月比+0.3%(前月:同+0.7%)へと減速している。足元ではイラン攻撃を発端とするガソリン価格の高騰が購買力の重石となっているものの、堅調な給与所得に加え、税還付や資産残高の増加が消費の底堅さを支える構図となっている。
他の分類でも、総じて前月から減速した。自動車を除く小売・飲食サービス売上高は、前月比+0.7%(前月:同+1.9%)と減速し、市場予想中央値と一致した。(2、3月分は合計で0.2%上方修正)。また、自動車・ガソリンを除く小売・飲食サービス売上高は、同+0.5%(前月:同+0.7%)と小幅鈍化したが、市場予想中央値(+0.3%)を上回った(2、3月分は合計で0.3%上方修正)。さらに、GDPの算出に使用されるコントロール・グループ(自動車・ガソリン・建材・飲食店を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.5%(前月:同+0.8%)と減速したが、市場予想中央値(+0.4%)を上回った(2、3月分は合計で0.4%上方修正)。
2.小売売上の基調は勢いを一歩強化
小売売上高の基調を判断するうえで重要なコア小売売上高(自動車・ガソリン・建材を除く小売・飲食サービス売上高)は、前月比+0.5%(前月:同+0.7%)と底堅い伸びを記録した。さらに、過去2カ月分が計0.4%上方修正されたこともあり、3カ月移動平均・3カ月前対比年率では+6.9%(前月:同+4.7%)へと加速している。
四半期ベースの推移をみても、4月時点の1-3月期対比年率は+5.1%となり、1-3月期の前期比年率+4.7%から加速している。トランプ政権による関税政策や移民取り締まり強化への懸念が消費者マインドの重石となっているものの、実質給与所得の伸びや税還付による手取り増、資産効果などがそれを相殺しており、小売売上の拡大ペースは再び勢いを強めている。
3.幅広い業種で拡大
4月の業態別の詳細をみると、主要13業態のうち9業態で売上が拡大しており、消費のすそ野の広さが確認できる。前月比の動向では、前月に大きく伸びた自動車・同部品、家具、衣料品が減少に転じた。一方で、その他小売が増加に転じたほか、家電、スポーツ用品・本・趣味用品、無店舗小売、飲食店が一段と加速した。また、食品・飲料、ガソリンスタンド、百貨店を含む一般小売および建設資材はプラスを維持した(伸びは鈍化)。薬局は前月比横ばいとなっている。
主要13業態のうち、拡大した業態が9業態(前月12業態)と減少し、縮小した業態が3業態(前月1業態)へと増加した。拡大した9業態は、家電、建設資材、食品・飲料、ガソリンスタンド、スポーツ用品・本・趣味用品、百貨店を含む一般小売、無店舗小売、飲食店、その他小売。縮小した3業態は、自動車・同部品、家具、衣料品。
4.ガソリンスタンドが引き続き最大の押上げ要因
4月の小売・飲食サービス売上高(前月比+0.49%、前月:同+1.63%)における主要13業態の寄与度をみると、押し下げ要因は、自動車・同部品(▲0.08%、同+0.11%)、衣料品(▲0.05%、同+0.02%)、家具(▲0.03%、同+0.04%)であった。一方、押し上げ寄与の業態は、価格高騰が反映されたガソリンスタンド(+0.23%、同+1.09%)、ネット通販を含む無店舗小売(+0.21%、同+0.15%)が大きな押し上げとなった。さらに食品・飲料(+0.09%、同+0.12%)、飲食店(+0.09%、同+0.01%)、家電(+0.02%、同+0.01%)、スポーツ用品・本・趣味用品(+0.02%、同0.00%)、百貨店を含む一般小売(+0.01%、同+0.12%)、その他小売(+0.01%、同▲0.03%)と続いた。なお、前月比でプラスを維持した建設資材(0.00%、同+0.06%)については、その伸びが小幅であったため、全体に対する寄与度としては薬局(0.00%、同+0.06%)とともに横ばいにとどまっている。
5.個人消費は緩やかな拡大へ
今後の見通しについて、4-6月期の小売売上は、実質給与所得の拡大や資産残高の増加等が引き続き支えとなる見込みである。しかしその一方で、高騰するガソリン価格が購買力を削ぐ悪影響や、トランプ政権の関税・移民政策をめぐる先行き不透明感が消費者マインドの持続的な重石になることは避けられない。価格上昇への警戒や節約志向の強まりを背景に、今後は個人消費の拡大ペースも徐々に巡航速度へと減速していくと予想される。


桂畑 誠治
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 桂畑 誠治
かつらはた せいじ
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経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済
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