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- フランスに政治の季節が再び到来
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- フランスで政局安定の鍵を握る年金改革の見直しを検討する労使間協議が合意できずに終わった。これを受け、これまで投票棄権で政権を消極的に支えてきた穏健左派の社会党は、内閣不信任案を近く提出する方針を固め、別の左派3党が同調することを示唆している。極右政党・国民連合も不信任に回れば、昨年12月と同様にバイル内閣は総辞職に追い込まれる。
- 政権奪取の機会を窺う極右政党がこれに同調するかは不透明だ。昨年の議会選挙後に同党の支持は一段と高まっているが、単独過半数には届かない。前倒し選挙で最大勢力となった場合も、首相の任命権を持つマクロン大統領が極右の政権発足を認めない可能性が高い。政権奪取への近道は大統領の座を手にすることで、3月に公職停止の判決を受けた同党のルペン前党首は、控訴審判決の結果を待ち、2027年の大統領選挙への出馬を諦めていない。議会選挙を前倒しした場合、ルペン氏は立候補ができず、大統領選挙に向け、議会で政権を追及する機会を失うことになる。
フランスでは23日、政局安定の鍵を握るとみられていた年金改革の見直しを検討する労使間協議が合意できないまま終わった。バルニエ前首相に対する内閣不信任案の可決を受け、昨年12月に就任したバイル首相は、1月の政権発足時や2月の予算成立時の内閣不信任案を、穏健左派の社会党(PS)による投票棄権で乗り切ってきた。年金改革の見直しを求めてきた社会党は、今回の労使協議が合意に至らなかったことを受け、バイル首相に対する内閣不信任案を近く提出する方針を固め、これに別の左派3党も同調することを示唆している。社会党はバイル政権の誕生後、左派会派・新人民戦線(NFP)から距離を置いてきたが、左派が再結集する可能性も出てきた。ただ、内閣不信任案が可決するには、政権運営に批判的な極右・国民連合(RN)がこれに同調する必要がある(図)。これまでのところ、国民連合の関係者から内閣不信任案に同調するか否かを巡って明確な意思表示はない。
フランスの憲法規定では、国民議会(下院)の次の選挙は、前回から1年以上のインターバルを置かなければならない。7月には前倒しの議会選挙が解禁されるため、極右政党がこの流れに乗って、バイル内閣を不信任に追い込み、議会選挙に持ち込むことを目指す可能性がある。ただ、昨年6・7月の国民議会選挙の時点から、国民連合の支持は一段と高まっているが、単独過半数には届かない。首相の任命権を持つマクロン大統領は、前回の国民議会選挙後に最大勢力となった左派会派の首相候補を指名せず、大統領を支持する中道勢力から首相を選んだ。前倒し選挙で議会の最大勢力の座を勝ち取ったとしても、極右政党が政権を奪取できるとは限らない。国民連合が政権を掌握するには、議会の過半数の支持を固めることや、大統領選挙で勝利することが必要となる。
3月に公金の不正利用で5年間の公職停止の判決を受けた国民連合のルペン前党首は、2027年の大統領選挙への出馬を諦めていない。2026年夏までに予定される控訴審判決で公職停止が覆る前に前倒しの議会選挙となった場合、ルペン氏は議会選挙に立候補することができない。大統領選挙に向け、議会で政権を追及する機会を失うことを、どう判断するかは微妙なところだ。来週にも予定される内閣不信任案の行方が注目される。仮に今回の内閣不信任案が否決された場合も、秋に本格化する予算協議で再び政権存続の行方が問われることになろう。

田中 理
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