- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月42,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月145程度で推移するだろう。
- 日銀は12月に政策金利を0.50%に引き上げ、25年末までに1.0%への到達を見込む。
- FEDはFF金利を25年末までに3.50%、26年末までに3.00%まで引き下げるだろう。
金融市場
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前日の米国株は上昇。S&P500は+0.3%、NASDAQは+0.6%で引け。VIXは15.4へと低下。
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米金利はブル・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.177%(+1.0bp)へと上昇。
実質金利は1.550%(▲3.3bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は+18.4bpへとプラス幅拡大。
- 為替(G10通貨)はUSDが全面安。USD/JPYは143前半へと低下。コモディティはWTI原油が71.6㌦(+1.2㌦)へと上昇。銅は9796.0㌦(+247.5㌦)へと上昇。金は2653.0㌦(+24.4㌦)へと上昇。
経済指標
- 9月CB消費者信頼感指数は98.7へと6.9pt低下。期待(86.3→81.7)と現況(134.6→124.3)が共に低下した。失業率の先行指標として有用な雇用判断DIは+12.7へと水準を切り下げ、2017年以来の低水準を記録。新規失業保険申請件数の低位安定が示すように解雇・レイオフは限定的である一方、新規採用の関門突破は難しさを増していると判断される。
注目点
- 2024年4-6月期に名目GDPは600兆円を初めて突破。名目GDPは1992年に500兆円を超えた後、デフレ経済の中、2000年代後半は世界的な景気後退を受けて500兆円を割り込んだが、2010年代半ば以降はデフレ圧力が後退する下で拡大基調に転じた。そして2022年以降は世界的なインフレの中で伸び率を急速に高め、この2年で一気に8%超の拡大を果たした。実質GDPが消費増税前の駆け込み需要で押し上げられた2019年7-9月期の557兆円程度を突破するのに5年近くの時間を要したのとは対照的である。

- 名目GDPが長期停滞に嵌った1990年代~2010年代前半にかけて、日本株は停滞を強いられた。その間、付加価値の単価とも言うべきGDPデフレータはマイナス圏での推移が常態化しており、このことはグローバル展開に成功したごく一部の企業を除いて企業の価格決定力が弱まったことを意味する。そうした下で企業が純利益を維持・拡大しようとすれば、自ずと人件費は抑制され、賃金・物価が共に停滞する。名目GDPは企業の粗利益に近い概念であるから、人件費を削減して純利益を増やしても、名目GDPは増えないので結局のところ経済のパイは大きくならない。それに対して2022年以降にGDPデフレータがはっきりと上昇しているのは、企業の価格決定力が蘇ったことを意味している。すなわち、仕入価格や労働コストの上昇に対して、賃金を犠牲にするのではなく、価格転嫁するよう企業行動が変容したことが窺える。このように賃金と物価が相互刺激的に上昇するようになったことはデフレ完全脱却の確度を高める。日銀短観(6月調査)によれば、企業の価格決定スタンスはなお強気であると読み取れる。企業に1年後のインフレを問う項目では、自社製品・サービスの販売価格が、国内の物価見通しを上回る傾向が続いており、もはや企業が価格(安値)を競争力の源泉としていなことが示唆されている。2014年の調査開始から2021年まで販売価格見通しが物価見通しを下回っていたのは、値上げを恐れる企業行動があったとみられる。10月1日発表の9月調査でも傾向が崩れていないか注視したい。
- 株価は言うまでもなく名目値であるから、名目(金額)ベースの経済規模が拡大すれば上昇する傾向にある。そこでTOPIXのEPS(一株利益)と名目GDPの関係に目を向けると、予想どおり波形の一致が確認できる。ここ数年、「マイナス成長なのに株高はおかしい」という声を耳にするが、そのマイナス成長の意味するところが実質GDPであれば、そもそも論点にやや問題があると言わざるを得ない。もちろん実質GDPが伸び悩む中での株価上昇は健全でない部分があるが、名目GDPでみれば日本経済は順調に拡大し、一株利益も増加しているため、この間の株高に大きな違和感はない。これこそが「株式はインフレに強い」と言われる所以であろう。

- インフレの持続性という点においては、名目賃金上昇の定着が極めて重要。過去2年における賃金の飛躍的上昇は、既往の人手不足もさることながら「物価→賃金」という波及経路が強く効いていた。その点において、2024年も物価上昇率が高止まりしていることは、2025年の春闘賃上げ率を押し上げる要因として作用すると見込まれ、インフレの持続性を高める。賃金の認識については、物価上昇率を加味した実質賃金がさほど上昇していないことから、あたかも賃上げが進んでいないかのような印象もあるが、名目賃金上昇率は約30年ぶりの伸びであり、かなり伸びているという評価が妥当であろう。このように賃金と物価が相互刺激的に上昇する環境で、株価はデフレ期とは異なりインフレの追い風を享受できる。
藤代 宏一
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