- 要旨
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日経平均株価は先行き12ヶ月42,000程度で推移するだろう。
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USD/JPYは先行き12ヶ月150程度で推移するだろう。
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日銀は12月に政策金利を0.50%に引き上げ、25年末までに1.0%への到達を見込む。
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FEDは9月に利下げを開始、FF金利は25年末に4.00%(幅上限)への低下を見込む。
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金融市場
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前日の米国株は上昇。S&P500は+0.2%、NASDAQは+0.2%で引け。VIXは15.4へと低下。
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米金利はツイスト・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.152%(+0.8bp)へと上昇。
実質金利は1.668%(▲0.3bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲8.2bpへとマイナス幅縮小。 -
為替(G10通貨)はUSDが全面安。USD/JPYは144近傍へと低下。コモディティはWTI原油が75.5㌦(▲1.9㌦)へと低下。銅は9448.0㌦(+159.5㌦)へと上昇。金は2516.0㌦(▲1.7㌦)へと低下。
経済指標
- 8月CB消費者信頼感指数は103.3へと改善し、6ヶ月ぶりの水準を回復。その反面、失業率の先行指標として有用な雇用判断DIは+16.4へと7ヶ月連続で低下。求人件数が漸減するなど企業の採用意欲が減衰していることを示す指標が散見される中、消費者(≒労働者、求職者)からみても現在の労働市場が軟化していることが示された。
- 6月ケース・シラー住宅価格指数は前月比+0.42%と、過去6ヶ月の基調が継続。3ヶ月前比年率では+5.05%、その3ヶ月平均も+5.05%と横ばい圏で推移し、前年比では+6.47%へと伸び率が鈍化した。この指標がCPI家賃に対して1年程度の先行性を有することに鑑みれば、CPI家賃は向こう半年程度鈍化を続けた後、下げ渋る展開が予想される。

注目点
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筆者は日銀が12月に追加利上げに踏み切ると予想している。ただし、このまま円安が一服した状態が続けば追加利上げの必要性は低下し、次回の利上げは春闘賃上げ率の大勢が判明する3月か4月の金融政策決定会合となる可能性が高い。日銀の金融政策は為替従属の色彩が強まっている。
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2022年以前との比較で日本企業の賃金・価格設定行動が明確な変容を遂げたことは疑いの余地がない。一方で家計はインフレを節約で乗り切ろうとしており「相変わらず」の部分もある。高齢化によってマクロ的なインフレ脆弱性が浮き彫りとなる中、輸入物価上昇が一服すれば、値下げによって需要を掘り起こそうとする企業行動が一部で復活するだろう。人口減少に起因する不可逆的な人手不足に直面する中、労働コスト増加など一定のインフレ圧力が残存するとはいえ、個人消費が力強さを欠き、負の需給ギャップを抱えていることを踏まえると、インフレの基調は2%を下回る可能性が高いと言わざるを得ない。
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事実、昨日発表された「基調的なインフレを捕捉するための指標」は3つの尺度が何れも低下した。刈込平均値は前年比+1.8%、加重中央値は同+1.1%、最頻値は同+1.5%と揃って2%を割れており、基調的な弱さが窺える。2022年以前との比較では高止まりしているものの、インフレの勢いが衰えているのは明白であろう。

- これまでの消費者物価上昇に寄与していた輸入物価は、7月の段階で契約通貨建てが前年比+1.6%とほぼ横ばいであったのに対して、円建ては同+10.8%と高く、しかも上昇基調を強めていた。もっとも、周知のとおり8月入り後にUSD/JPYは145円以下の水準まで円高が進んでいる。このままの水準で推移すれば少なくとも今後1年程度は前年比で円高傾向となり、輸入物価の下押しに寄与することになる。仮に契約通貨建ての輸入物価に大きな変動がなければ、それは日銀の物価見通しが下振れリスクに晒されることを意味する。その点について、8月7日に行われた内田副総裁の講演では「円安が修正された結果、輸入物価を通じた物価上振れのリスクは、その分だけ小さくなりました。(中略)輸入物価の上昇は、契約通貨ベースではほぼゼロ%ですので、円ベースでの上昇は、ほぼこれまでの円安によるものです。この点で円安の修正は、政策運営に影響します」と言及されていた。この発言からも明らかなように「日銀が為替を理由に金融政策を変更することはない」という従来の常識はもはや通用しなくなっている。

- 植田総裁は8月23日の衆院財務委員会において、7月の金融政策決定会合で示した「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」という方針について「基本的な姿勢に変わりはない」と答弁し、利上げの方針は堅持した。その発言自体は(8月7日の内田副総裁の講演対比で)ややタカ派と受け止められたが、そもそも論として2%の物価見通しに疑義が生じれば、利上げの条件が崩れることは再度認識しておく必要がありそうだ。
藤代 宏一
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