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- フランス極右阻止の包囲網
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- 7日の決選投票に向け、大統領陣営と左派会派の一部候補が出馬を取り止め、極右の単独過半数の獲得阻止に動き出した。有権者がこうした動きに追随すれば、極右の政権奪取が困難になる。その場合も反極右勢力が協力して政権を樹立することは困難で、暫定政権の下で1年後に再選挙を行う可能性が高い。フランスの政局不透明感と政策停滞が長期化する。
フランスでは7日に国民議会(下院)の決選投票を控え、極右政党・国民連合(RN)の単独過半数阻止に向けた動きが活発化している。2日に決選投票の出馬期限を迎え、初回投票を突破した大統領支持会派・アンサンブル(ENS)の337名のうち約80名が、左派統一会派・新人民戦線(NPF)の469名のうち約130名が出馬を取り止めた(図表1)。重複立候補による反極右票の分断を避け、初回投票でリードする国民連合の包囲網を築くのが狙いだ。国民の関心が高い今回の国民投票の初回投票では、過去2回に40%台にとどまった投票率が60%台後半に上昇し(図表2)、選挙制度の関係で、3人以上の候補で争われる選挙区が急増した(図表3)。初回投票の終了時点で、4候補の争いとなる選挙区が5ヶ所、3候補の争いとなる選挙区が306ヶ所に上ったが、勝ち目のない3番手候補が出馬を取り止めた結果、現地紙の集計によれば、4候補の争いとなる選挙区が1ヶ所、3候補の争いとなる選挙区が95ヶ所に減少した模様(図表4)。




一部の議席調査は国民連合が単独過半数に届く可能性を示唆するが、今回の戦略的な立候補の取りやめを受け、そのリスクはやや遠退いた。その場合も国民連合が第一党となる可能性が高い。金融市場はこうした動きを好感し、フランス国債のドイツ国債との利回り格差(スプレッド)が僅かに縮小したが、前倒し総選挙が決まる以前の水準を回復できずに高止まりしている。左派連合内には、かつて二大政党の一角を占めた穏健な社会党(PS)などに加えて、過激な主張で政権を攻撃してきた極左政党・不服従のフランス(LFI)も加わる。大統領会派は今回の選挙戦で、極右政党だけでなく左派会派の選挙公約が財政破綻を招くとして批判してきた。また、左派会派の支持者の多くは、反極右であると同時に反マクロンでもある。極右阻止が目的だとしても一本化後の候補を支持できない有権者は決選投票を棄権する可能性がある。
国民連合が単独過半数に届かない場合、同党に協力しそうな勢力はほとんど見当たらない。かつて二大政党の一角を占めた共和党(LR)は、国民連合との協力を模索する勢力の大半が今回の選挙戦で国民連合の候補として立候補しており、共和党に残った候補の多くは国民連合との協力に反対している。もっとも、国民連合が議会の過半数を確保することに失敗した場合も、大統領陣営と左派会派が選挙後も協力して政権運営を行う可能性は極めて低い。その場合、暫定首相を配置し、議会の解散ができる1年後に改めて再選挙を行う可能性が高まる。マクロン大統領による院政と受け止められる恐れがなく、超党派の支持が得られる政治色を排除した人物を首相に据える必要がある。極右政権の誕生阻止に成功したとしても、不安定な政治環境と政策停滞がフランスを待ち構えている。
田中 理
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