- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月34,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月138程度で推移するだろう。
- 日銀は2024年後半にマイナス金利を撤回するだろう。
- FEDはFF金利を5.50%(幅上限)で据え置くだろう。利下げは24年4-6月を見込む。
金融市場
- 前日の米国株は上昇。S&P500は+0.6%、NASDAQは+1.1%で引け。VIXは14.8へと低下。
- 米金利はベア・フラット化。予想インフレ率(10年BEI)は2.355%(▲2.0bp)へと低下。 実質金利は1.833%(+5.9bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲78.2bpへとマイナス幅拡大。
- 為替(G10通貨)はUSDが堅調。USD/JPYは145半ばへと上昇。コモディティはWTI原油が82.5㌦(▲0.7㌦)へと低下。銅は8291.5㌦(▲3.0㌦)へと低下。金は1910.6㌦(▲2.3㌦)へと低下。
注目点
- 年初の段階でゼロコロナ戦略撤廃に伴い鋭い回復が期待されていた中国経済は、相変わらず冴えない。サービス業は期待どおりの回復が実現している一方で、製造業の回復が特に鈍い。PMI(政府版)はサービス業が年初来一貫して50を上回り、平均値が54.9と好調であるのに対して製造業PMIは7月まで4ヶ月連続で50を下回っている。そうした中で不気味なのは日本株の先行指標として知られている中国のクレジットインパルスが下向きに転じていること。日本株とクレジットインパルスに一定の関係があるのは、中国国内の貸出増加が中国国内の経済活動を刺激し、そこから半年~1年程度遅れて日本の企業業績が拡大することで結果的に日本株が上昇するという波及経路があると考えられる。ここでクレジットインパルスとは新規与信(≒貸出)のGDP比であり、中国国内の経済活動(主に投資)に先立って変動する傾向がある。ここで中国の代表的な金融指標である社会融資総量に目を向けると7月は僅か5482億元と市場予想を大幅に下回り、デレバレッジ政策の初期局面である2016年にしか経験したことのない水準に落ち込んだ。家計が住宅投資を抑制する中、企業は先行きの需要に自信が持てず設備投資を控えている様子が窺える。下向きのクレジットインパルスから判断すると日本株は年末に向けて勢いを失っていくことになる。
- 反対に年初の段階では景気後退が予想されていた米国は、ここへ来て景気後退を回避できる状況になり、中国からの向かい風を打ち消している。7月FOMC後の記者会見でパウエル議長が「FRBスタッフはもはや景気後退を予想していない」と発言したことに象徴されるよう、もはやソフトランディング(景気後退回避+インフレ沈静化)は市場関係者の中心的見通しになりつつある。7月CPIは総合が前年比+3.2%、コアCPIが+4.7%とインフレが沈静化に向かう中、製造業指標に目を向けるとISM製造業景気指数は7月に46.4へと小幅ながら改善し(6月は46.0)、また1~3ヶ月先の生産動向を読む上で有用な新規受注・在庫バランスが上向き基調を維持するなど光明が差し込んでいる。この間、金利上昇に脆弱な住宅市場は明確な持ち直し基調に復し、また新車販売台数もサプライチェーン復旧に伴い回復傾向にある。

- ここでISM製造業景気指数と米国株(S&P500)の6ヶ月前差(比)を同じグラフに描くと、ISM製造業が改善傾向にある時、米国株が上昇するという非常にシンプルな関係が見て取れる。最近の米国株はやや行き過ぎている印象はあるが、それでも方向感は一致しており、仮に製造業の回復が続くならば、先行きはファンダメンタルズの改善を伴った株価上昇が期待される。中国経済が期待外れな結果になっている点は要注意だが、Fedの利上げ終了が近づく中、年末に向けて米国株上昇が日本株の追い風になると期待される。

藤代 宏一
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