武器になる経済指標 武器になる経済指標

ここで世界経済の先行指標が上向く

藤代 宏一

要旨
  • 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
  • USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
  • 日銀は現在のYCCを6-7月に修正するだろう。長期金利の変動許容幅拡大を見込む。
  • FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)まで引き上げるだろう。
目次

金融市場

  • 前日の米国株はまちまち。S&P500は+0.1%、NASDAQは▲0.3%で引け。VIXは16.9へと上昇。
  • 米金利はカーブ全般で金利低下。予想インフレ率(10年BEI)は2.280%(▲0.8bp)へと低下。実質金利は1.207%(▲7.2bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲60.2bpへとマイナス幅縮小。
  • 為替(G10通貨)はJPYが最弱。USD/JPYは134前半で推移。コモディティはWTI原油が78.8㌦(+0.9㌦)へと上昇。銅は8730.5㌦(▲64.0㌦)へと低下。金は1989.1㌦(+9.6㌦)へと上昇。
図表1
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図表2
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図表3
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図表4
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図表5
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経済指標

  • 4月独Ifo企業景況感調査は93.6と小幅改善。現況(95.4→95.0)、期待(91.2→92.2)が双方とも小幅な変動。既発表のPMIは製造業の落ち込みをサービス業が相殺する構図が示されていたが、この指標では製造業と非製造業が共に緩やかに改善する構図となっている。
図表6
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図表7
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図表8
図表8

注目点

  • グローバル製造業PMIは3月時点で49.6と節目の50を下回っているものの、2022年12月の48.7を底に持ち直している。4月分については、現時点で速報値が公表されている日米欧の製造業PMIが総じてみれば堅調であったことに加え、中国の回復持続が期待されることから50に近い数値が見込まれる。

図表9
図表9

  • ここで気味が悪いのは、半導体市況の悪化継続をよそにグローバル製造業PMIが反転上昇していること。一般的に生産活動の「うねり」は半導体を中心とするIT関連財市況が作りだすというのが通説であり筆者もそう考えているが、今回はシリコンサイクルが下降局面にある下で、中国の経済活動再開という非循環的要因によってPMIが改善したため、例外的な動きになっている。ちなみにPMIは「前月比」での景況感変化を問う形式である。それ故、景気回復の初期局面において指数は鋭い上昇を示す傾向にあるが、それが一巡すると(景気が良くても)徐々に指数水準は切り下がる傾向にある。今回の例で言えば、中国の経済再開という一過性要因が終了した後、グローバル製造業PMIが再び低下する可能性に注意が必要ということになる。

図表10
図表10

  • ではこのグローバル製造業PMIの改善が「だまし」なのかというと、そうとは言えない。その根拠として世界経済の先行指標とされる中国のクレジットインパルス(≒中国国内の新規貸出のGDP比)が過去数ヶ月の反落を経て再び上昇傾向を強めていることがある。2021年までの不動産業に対する締め付けが、昨年に緩和方向へ切り替わり、それに呼応して銀行の融資基準が緩和方向にある中、経済に出回るおカネの総量が増加傾向にあることが可視的に確認できる。そうした中国国内の信用創造が、インフラ投資や不動産開発を刺激したり、製造業の投資拡大を誘発したりすることで生産活動の活発化に繋がれば、今度はそれが中国向け輸出の拡大など複数の経路を通じて世界の生産活動拡大に貢献すると考えられる。そうであれば、半導体市況の悪化にも歯止めがかかり、結果的にグローバル製造業PMIとの乖離が縮小するかもしれない。

図表11
図表11
図表12
図表12

  • 現在のところ日本株の予想EPSは、グローバル製造業PMIの低下基調に沿って伸び率を縮小しつつも、何とか前年比プラス(≒増益)を維持している。このまま予想EPSが前年比マイナス(≒減益)に突入する可能性は否定できないが、最近のクレジットインパルス再上昇はグローバル製造業PMIの改善が明確化することを示唆しているようにみえる。

図表13
図表13

藤代 宏一


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