- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月133程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを少なくとも2023年4月までは維持するだろう。
- FEDは年内に125bpの追加利上げを実施。利下げは早くても23年後半以降だろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。NYダウは▲1.7%、S&P500は▲1.5%、NASDAQは▲1.5%で引け。VIXは31.6へと低下。
- 米金利カーブはベア・フラット化傾向。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.155%(▲2.9bp)へと低下。実質金利は1.669%(+7.1bp)へと上昇。
- 為替(G10)はUSDが中位程度。USD/JPYは144後半へと上昇。コモディティはWTI原油が79.5㌦(▲1.7㌦)へと低下。銅は7560.0㌦(+18.0㌦)へと上昇。金は1662.4㌦(+3.9㌦)へと上昇。
経済指標
- 8月米PCEデフレータは前月比+0.3%、前年比+6.2%と予想を上振れた(7月:前年比+6.4%)。コアPCEデフレータも前月比+0.6%、前年比+4.9%へと加速し予想比上振れ(7月:前年比+4.7%)。Fedのインフレ認識に変更を迫るものではないが、改めてインフレの粘着力を印象付ける結果であり、11月FOMCにおける75bp利上げを支持したと考えられる。
注目点
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日銀短観が発表された。指標の評価に入る前に再確認しておきたいのは、日銀短観が「単体」の業況等を問う調査であること。よって最近の急速な円安が単体ではマイナス、海外子会社との連結ではプラスに効く場合、短観の業況判断は下押しされる一方で企業収益は増加する。事業計画の前提となっている想定為替レート(2022年度USD/JPY、全規模・全産業)は125.71円と現状対比で大幅な円高水準であり、その乖離が単体の収益にマイナス影響を与えた可能性は必ずしも否定できないが、短観の結果を以って「円安は日本企業にマイナス」などと結論付けることは難しい。また想定為替レートは飽くまで「事業計画の前提となっている想定為替レート」であり、業績見通しを作成する際などに用いられた数値に過ぎない。「企業が予想していた為替レート」とは区別する必要がある。
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日銀短観(9月調査)によると業況判断DIは、大企業製造業が+8と前回調査対比1pt低下し市場予想(+10)を下回った。反対に大企業非製造業は+14へと前回調査対比1pt改善し市場予想(+13)を上回った。先行き判断DIは大企業製造業が+9と現況対比で小幅改善を見込み、大企業非製造業は+11と小幅低下であった。前回調査との比較では、製造業は中国のロックダウン影響が緩和したことでサプライチェーンが快方に向かったものの、欧米の景気後退に対する懸念が強まったことを浮き彫りにする結果であった。非製造業はコロナ感染第7波の影響から対面型BtoC業種の回復が頓挫したものの、それ以外の業種は底堅く推移した。インバウンドの本格再開に対する期待は大きいものの、労働集約型の業種は既に人手不足に直面していること等から著しい業況改善は見込まれていない。

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大企業製造業は自動車(6月調査:▲19→9月調査:▲15)のマイナス幅が縮小し、その恩恵もあって鉄鋼(▲6→+18)、はん用機械(+20→+31)、業務用機械(+22→+27)が改善した。反対に電気機械(+23→+20)は小幅悪化。半導体市況が悪化しIT関連財の製品需給が弛む中、製品価格の下落圧力が強まったことで業況が悪化したとみられる。その他では生産用機械(+34→+33)、化学(+24→+16)、非鉄金属(+15→+3)などが低下した。当面は自動車生産の回復とIT関連財の市況鈍化が綱引きする構図が続きそうだ。
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大企業非製造業は通信(+14→+21)と不動産(+22→+27)が改善したほか、対事業所サービス(+35→+36)と情報サービス(+37→+36)が高水準を維持。また予想されたとおり対個人サービス(+18→+2)はコロナ影響によって悪化し、宿泊・飲食サービス(▲31→▲28)も異例の低水準が続いた。小売(+7→+3)の弱さは食料・エネルギー価格上昇による消費者の節約志向を映じていると思われる。
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TOPIX構成銘柄と属性の近い大企業全産業の業況判断DIは+11と前回調査対比横ばいであった。もっともTOPIXの予想EPSと密接に連動する売上高経常利益率の年度計画は7.87%へと上昇し、企業業績の更なる回復を示唆した。素原材料費は高止まりするものの、円建て輸出価格の上昇が製造業の収益を押し上げたとみられ、マージンは回復傾向にある。先行きは欧米諸国の景気減速が重荷になりだが、少なくとも直近まで企業収益は改善していた可能性が高い。
※ なお日銀短観の調査は、前月からの変化を問うPMI等と異なり、比較時点を問わない形式である。企業は回答にあたって自社の収益計画を参照していると考えられ、それを満たしていれば「良い」「さほど良くない」「悪い」の3択から良いを選択するはずである。したがって業況判断DIの改善は業績上方修正の余地と考えることができる。短観とアナリスト予想の方向感が一致するのはそうした背景があるとみられる。
藤代 宏一
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