1分でわかるトレンド解説 1分でわかるトレンド解説

【1分解説】訪問介護のタスクシェア・タスクシフトとは?

須藤 智也

  音声解説

訪問介護のタスクシェア・タスクシフト(以下、タスクシェア・シフト)とは、従来の訪問介護業務の一部を地域のリソースに共同化・移管することを指します。主なリソースには、ボランティア、民生委員、家政士(家事代行サービスなど)、福祉的就労機関(就労継続支援A型・B型など)、退職後の高齢者、学生などが挙げられています。2026年度の厚生労働省予算概算要求で「タスクシェア・シフト推進支援事業」として考え方が示されました。

事業の目的は「介護人材の負担軽減」「地域における持続可能なサービス提供体制の維持・強化」です。イメージ図(資料)では、訪問介護職員が身体介護などの専門性を活かした支援に注力し、地域の多様なリソースが生活援助サービス(掃除、洗濯、買物代行、外出支援など)を分担する様子が描かれています。今後は都道府県が実施主体となり、訪問介護業務の切り分けに関するガイドライン作成、実証事業、マッチング支援などを行うとされています。

要介護認定者数の増加や介護人材の不足は喫緊の社会課題です。タスクシェア・シフトの進展は、地域全体で高齢者を支える体制のさらなる深化に一定の効果を発揮するという見方があります。一方、懸念として「訪問介護の質や専門性を維持できるか」「介護報酬の仕組みとのバランスを保てるか」「業務分担がかえって事業所や職員の負担を増やさないか」「利用者の金銭的負担は増えないか」といった点が指摘されています。社会課題の解決に資する事業となるか、今後の動向が注目されます。

図表
図表

この解説は2025年9月時点の情報に基づいたものです。

須藤 智也


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

須藤 智也

すどう ともや

総合調査部 副主任研究員
専⾨分野: 社会保障(介護・高齢者)、人と組織

執筆者の最近のレポート

関連テーマのレポート

関連テーマ