Side Mirror(2025年1月号)

佐久間 啓

11月に行われた米国大統領選挙で、共和党トランプ候補は、激戦州と言われた7州すべてで勝利、獲得選挙人を312(過半数270)とし、民主党ハリス候補に勝利した。事前の世論調査では激戦が伝えられていたことから、最終結果判明まで数日かかることも危惧されたが、投票締切りからそれほど間を置かず、トランプ氏勝利が確実となった。

同時に行われた上下両議会選挙でも共和党が勝利し、4年ぶりの“トリプル・レッド”となり、減税・規制緩和による経済拡大への期待から株式市場は上昇し、主要指数はすべて史上最高値を更新している。政権移行に向けて、主要人事も固まりつつあるが、財務長官には市場に精通した人物が予定されており、市場には安堵感が広がっている。しかし、次々発表される人事案を見ると、極端とも言える意見の持ち主や、熱烈なトランプ支持者と報道されている人物であったりと、前回の反省も踏まえてということらしいが、“身内”からの起用が目立つ。大きなお世話だが、少し心配になる。“圧勝”と言われるが、得票率は50.0%:48.4%だ。

2017年のトランプ大統領就任以降、金融市場は、神出鬼没の情報発信で右往左往する場面もあった。トランプ氏の“やり方”を、あまり理解していなかったことが混乱に拍車をかけた面もある。今回は金融市場にも多少の経験知があるので、選挙戦の勝利以降、妙な安心感が広がっている感じだ。大丈夫だろうか。市場は、対中強硬姿勢、アメリカファースト、ディールといった言葉は理解しているつもりだが、2025年からのトランプ政権が考える、これらの具体的な政策・やり方が、果たして市場の考えているものと同じなのかは分からない。もっと言えば、米国内の理解と、他の国の理解が違うことも考えられる。

2016年から(実はそれ以前から?)、“トランプ的”なものが米国では本流になりかけているからこそ、今回の結果は予想外ではなく、米国社会を映した当然の結果だったと言えるのかもしれない。昇華されたトランプ政権から何が出てくるのか。2025年もいろいろありそうだ。

(佐久間 啓)

佐久間 啓


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