- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月72,000円程度で推移するだろう
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう
- 日銀は政策金利を9月に1.25%とした後、27年末までに2.25%とするだろう
- FEDはFF金利を、年内は3.75%で据え置くだろう
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ウォーシュ議長は、ジャクソンホール講演で事前の予想に反して金融政策について多くを語った。シンポジウム全体の題目が「金融イノベーション――決済と政策への含意(Financial Innovation: Implications for Payments and Policy)」であったことから、金融政策への言及は限定的なものになると筆者は構えていたが、ウォーシュ議長は①金融環境の現状認識、②景気・物価の評価についてFOMC後の記者会見と同程度かそれ以上の詳細に触れた。議長講演を通過後、FF金利先物が織り込む9月の利上げ確率は35%程度から60%程度まで高まった。
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特に金融市場参加者の耳目を集めたのは「基調的インフレが、明確に、かつ十分な速さで2%へ向かっていると確信できなければ、われわれにはなすべき仕事がある」、「Fedが現在、最も重視すべきは物価」という発言であった。
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筆者が個人的に特に注目したのは「賃金上昇率は緩やかになっている。しかし、基調的インフレを判断するうえで、賃金上昇率は長年にわたり将来のインフレの信頼できる指標ではなかった」との発言。端的には「賃金上昇率の低さは必ずしもインフレ抑制に寄与しない」と読み替えることができる。この点について、ウォーシュ議長はPCEデフレーターを構成する199品目のうち、直近12ヶ月に3%超上昇した品目の割合は全体の54%、直近6ケ月年率では49%であることに触れ、コロナ期以前の20年間における平均の32%に対して、物価上昇の裾野がなお広いとした。賃金上昇率が落ち着いていても、幅広い品目で高い物価上昇が続いている以上、基調的インフレが十分に沈静化したとは判断できないという問題意識であった。一般的な理解に基づけば、賃金が労働集約的なサービス価格を変動させることでインフレの基調を説明するが、ウォーシュ議長はこうした一般論に慎重なように見える。
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では、インフレ警戒感からFedが9月FOMCで利上げに踏み切るかといえば、それは早計であろう。確かに賃金上昇率の鈍化をよそにインフレ率は2%目標を上回って推移しているものの、8月雇用統計やCPIが軟調な結果となれば、話は変わってくる。今回、タカ派寄りの発言が多く含まれていたのは、ジャクソンホール講演の直前までに低下していた9月の利上げ観測を、半ば意図的に復活させる狙いがあったかもしれない。Fedからすると、金融市場が利上げを一定程度織り込むことはある意味で心地が良い。利上げ観測が完全に剝がれてしまえば、利上げへの方向転換が難しくなるため、敢えてタカ派的な色を濃くした可能性が指摘できる。
藤代 宏一
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