米国 6月住宅着工件数は増加も一戸建ての減少持続

~住宅建設は不確実性や実質金利上昇で停滞中~

桂畑 誠治

要旨
  • 25年6月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は、132.1万戸、前月比+4.6%(前月126.3万戸、同▲9.7%)と、市場予想中央値(ブルームバーグ集計)の130.0万戸、前月比+3.5%を上回った(4、5月合計1.3万戸上方修正)。変動の大きい集合住宅の急増によって拡大した。
  • 着工の基調を示す「一戸建て住宅着工件数」が88.3万戸、前月比▲4.6%(前月92.6万戸、同▲2.3%)と減少幅を拡大して水準を切り下げた一方、「集合住宅の着工件数」は、43.8万戸、同+30.0%(前月33.7万戸、同▲25.1%)と大幅に増加した。5月に竜巻の発生や大雨などの悪天候の影響を受け下振れた反動もあり、増加した。ただし、一戸建ては在庫の増加、販売の伸び悩み、コスト上昇等を背景に停滞を続けている。
  • 6月の住宅建設許可件数(季節調整済み、年率換算)は、139.7万戸、前月比+0.2%(前月139.4戸、同▲2.0%)と市場予想中央値の138.7万戸、同▲0.5%に反して増加した(4、5月合計+0.1万戸上方修正)。一戸建て住宅が86.6万戸、同▲3.7%と減少幅を拡大した一方、集合住宅が53.1万戸、同+7.3%と増加に転じた。もっとも、建設業者が需要の先行きに慎重な見方を強めており、許可件数は一戸建て主導で徐々に水準を切り下げている。
  • 足元の住宅建設は、不確実性の高まりや実質金利の上昇を背景に停滞している。金利高止まりや価格上昇等による販売鈍化によって在庫が増加した他、建設業者がトランプ政権の関税賦課や不法移民取り締まり強化を受けた更なるコスト増や需要鈍化への懸念を強め、新規の住宅着工に慎重になっている。
  • 25年の住宅販売は、高いモーゲージ金利が抑制要因となるものの、雇用・所得拡大の継続、企業の販促等によって、小幅の持ち直しが見込まれる。このような中、住宅着工件数は緩やかなペースで回復すると予想されるが、2月に建設業者の先行きに対する見方が悲観に転じたように、トランプ関税への懸念、不法移民の取り締まり強化等を受け、一戸建て住宅着工件数は目先停滞を続けると見込まれる。25年の住宅販売は前年比+0.4%(24年同▲0.3%)と小幅増加するものの、在庫の高止まりによって、住宅着工は、同▲1.3%(24年▲3.5%、23年▲8.4%)と減少幅の縮小にとどまると予想される。
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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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