- 要旨
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日経平均は先行き12ヶ月44,000程度で推移するだろう。
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USD/JPYは先行き12ヶ月150程度で推移するだろう。
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日銀は7月に追加利上げを実施するだろう(政策金利は+0.25%)。
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FEDは9月に利下げを開始、FF金利は25年末に4.00%(幅上限)への低下を見込む。
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金融市場
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前日の米国株はまちまち。S&P500は▲1.4%、NASDAQは▲2.8%で引け。VIXは14.5へと上昇。
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米金利は小動き。予想インフレ率(10年BEI)は2.264%(▲0.0bp)へと低下。
実質金利は1.893%(+0.1bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は▲28.2bpへとマイナス幅拡大。 -
為替(G10通貨)はJPYが最強。USD/JPYは156前半へと低下。コモディティはWTI原油が82.9㌦(+2.1㌦)へと上昇。銅は9635.0㌦(▲28.5㌦)へと低下。金は2459.9㌦(▲7.9㌦)へと低下。
経済指標
- 6月米住宅着工件数は前月比+3.0%と市場予想(+1.8%)を上回り、前月分も上方修正された。もっとも、3ヶ月平均の数値は大きく落ち込んだままであり基調的な強さも感じられない。

注目点
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7月17日はドル安円高、米国株は半導体が大きく売られた反面、エネルギーが上昇するなどした結果、NASDAQが▲2.8%、NYダウは+0.6%と濃淡くっきり。米金利は強弱入り混じりカーブ全体で小動き。また日本側の材料としては河野デジタル相が総裁選への出馬に含みを持たせつつ、日銀の緩和的な金融政策に起因する円高を是正すべきとの見解を述べたことで円買いが促された。以下、17日の動きを参考にトランプ氏が掲げる政策が金融市場にどういった影響を与えるか考えてみたい。
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昨日のドル安(円高)のきっかけとなったのはブルームバーグ通信が報じた、6月下旬実施のトランプ氏に対するインタビューであった。インタビュー内でトランプ氏は「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」、「(米国の輸出企業にとって)すさまじい負担」とした他、「(日本に対して)不作法だ」と言及した。同様の発言は前政権期(2017-2021年)から引き継いでいるもので、今年4月にも繰り返されているため、今回が初めてではない。ただし歴史的な円安が進む中、Fedの利下げが見込まれていることもあり、為替市場で材料視された形だ。このようにトランプ氏は通商政策の文脈においてドル安を志向する傾向がある。もっとも、インフレ対策を念頭に置くならばドル安は逆風となる。トランプ氏が「輸入品に対する10%の関税」を画策していることに鑑みれば、一方的なドル安はインフレ再加速という結果を招きかねない。現時点における政策的な重要度としては、製造業の梃入れよりもインフレ対策の方が圧倒的に高い。こうした現状を踏まえれば、為替に対する言及(ドル安要求)は、飽くまで政治的パフォーマンスの色彩が濃いとの印象を受ける。また同インタビューには「法人税率を現行の21%から15%に引き下げる」との発言もあった。これは単純に(税引き後の)一株当たり利益を純増させる他、企業の投資、株主還元を増大させるため、株式市場にとって追い風と理解して良いだろう。
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他方、この日は世界的に半導体関連株が総崩れとなった。バイデン政権が半導体製造装置の対中輸出規制を同盟国に対して強化するとの報道があった他、蘭半導体製造装置の決算が一部投資家の期待を満たさなかったことで利益確定売りが誘発された形だ。半導体などハイテク製品を巡る対中規制についてトランプ氏の考えが気になるところだが、そもそも対中規制の強化は、共和党と民主党にとって数少ない政策的合意事項である。したがって、トランプ政権であろうとバイデン政権であろうと大きな流れは変わらないと予想される。ちなみに、日本の貿易統計で半導体製造装置の地域別輸出を確認すると、中国向けは全体の約5割を占める重要な仕向け地となっている。中国向け半導体製造装置の輸出は、駆け込み需要によって押し上げられている面もあることから存在感の大きさは要割引だが、対中規制が本格的に強化された場合は相応の下押し圧力が働きそうだ。

- トランプ氏と言えば、やはりエネルギーであろう。同氏が掲げる政策は、拡張的な財政政策、関税、移民抑制(安価な労働力が減少)などインフレ再燃を懸念させるものが多い中、エネルギー政策はインフレ沈静化に貢献し得る。現在、米国の原油生産量は日量1300万バレル強とパンデミック前の水準を回復し、既に世界最大となっている。こうした環境下、トランプ政権が誕生すれば更なるエネルギーの増産が考えられ、エネルギーコスト低下が実現する可能性はある。トランプ氏はエネルギー政策について、天然ガス採掘やパイプラインの整備・拡大をするために各種規制を緩和して生産量を増やし、エネルギーコストを一段と引き下げると繰り返している。こうした政策の実現性はともかく、トランプ氏の誕生がより強く意識されれば、それだけで原油価格(国際価格)が下落する可能性はあるだろう。前トランプ政権時の任期後半にかけて米国の原油生産量が増加する中で、原油価格が下落する傾向にあったことが意識されても不思議ではない。もちろん今回もそうなるかは不明だが、原油価格が下落すれば米国のインフレは抑制される。日本経済にとっても恩恵が大きい。

藤代 宏一
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