宿泊旅行統計調査(2022年3月)

~緩やかな回復が続く。ゴールデンウィークは県民割の対象外となるも、宿泊需要の回復が見込まれる~

小池 理人

感染状況の改善やまん延防止等重点措置の全面解除により、宿泊者数は回復

4月28日に観光庁から発表された22年3月の延べ宿泊者数は3,338万人泊となった。新型コロナウイルスの影響が出る前の前々年比でみると▲34.7%(2月:前々年比▲46.5%)と減少幅が縮小し、季節調整値(季節調整は第一生命経済研究所)では前月比+13.4%(2月:同▲3.5%)の増加となった。3月21日にまん延防止等重点措置が全面解除され、多くの県において県民割が再開されたことなどを背景に、3月の宿泊者数は増加した。客室稼働率の2019年同月差を見ても、客室稼働率の改善が確認され、新型コロナウイルスによる宿泊事業者へのダメージが回復してきていることが示されている。

先行きは回復が見込まれるが、回復ペースは緩やかなものに

今後の延べ宿泊者数(季節調整値)の動向について、緩やかに回復していくと見ている。4月1日から県民割の対象が地域ブロックごとに拡大されたことに加え、利用期限もゴールデンウィークを除いて5月末まで延長されることになっていることから、今後も宿泊需要は回復の動きが続くだろう。各種報道では、ゴールデンウィークの宿泊や鉄道・航空の予約状況はコロナ前には至らないまでも前年比で大幅に回復していることが報じられており、県民割の実施されないゴールデンウィークにおいても回復が見込まれる。もっとも、新規感染者数の水準は高いことから、人流の回復も限定的なものに止まっており、外出に慎重な動きは継続している。回復は継続することが見込まれるが、そのペースは当面の間緩やかなものに止まるだろう。また、ゴールデンウィークでは特に人流が増加することが想定され、感染が広がる可能性もある。新規感染者数が再び急激に増加することになれば、経済活動への制限や県民割等の政策的な需要喚起策の停止が再び行われる可能性も考えられ、今後も感染状況を注視する必要があるだろう。

小池 理人

小池 理人

こいけ まさと

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 日本経済短期予測、観光経済

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