イベントカレンダー『各国の主要政治・経済イベント予定』(2024年2月号)

2月の各国主要政治・経済イベント

図表1
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2月の政治・経済イベント「春闘」

春闘(春季労使交渉)とは、次年度の賃金の引き上げ率や労働条件について、企業と労働者(労働組合)の間で行われる交渉のことを指します。日本の場合は、労働者側の交渉力を高めるために、全国の労働組合の中央組織である日本労働組合総連合会(連合)が全体方針を調整し、業種ごとに足並みを揃えて行われるケースが多いです。そのため、労働者側の要求が提出される時期が2月頃、それに対する企業側の回答が提出される時期が3月頃に集中することから、春闘と呼ばれています。

昨年の2023年春闘では、連合が集計した結果によると平均賃上げ率は3.6%となり、30年ぶりの高水準となりました。年齢や勤続年数に応じて引き上がる定期昇給部分を除いた「ベースアップ(ベア)」の上昇率でみても2.1%と、近年にない高水準となりました。

こうした賃上げの動きの背景には、国内の物価上昇があります。原油価格を中心としたグローバルな原材料高を起因として、国内でも幅広い品目で価格転嫁が進み、22年4月以降の消費者物価(総合)は前年同月比2%を上回る高い上昇が続いています。エネルギーや食料といった生活必需品の値上がりは家計の負担感が大きく、こうした負担を賃金上昇によって軽減させようとする賃上げ機運の高まりが、23年春闘での結果に繋がりました。

連合は、今年24年の春闘では「5%以上」と、前年を上回る賃上げ率を方針に掲げました。もっとも、23年の賃上げは大企業が中心であり、企業業績の回復に差がある中小企業では十分な賃上げに踏み切れていない課題を残していました。賃金上昇率を上回る物価上昇率が続いていることで実質的な賃金は目減りした状況が続いており、個人消費の回復を下押ししています。景気回復のためには賃金上昇によって需要が回復し、企業業績の回復に繋がりさらに賃金が上昇するといった好循環の実現が重要です。24年の春闘は、こうした好循環がどこまで実現しているかを判断するイベントと言え、注目度が一層高まっています。(副主任エコノミスト:大柴 千智)


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