イベントカレンダー『各国の主要政治・経済イベント予定』(2023年11月号)

目次

11月の各国主要政治・経済イベント

11月の各国主要政治・経済イベント
11月の各国主要政治・経済イベント

11月の政治・経済イベント「米国雇用統計」

米国雇用統計とは、米国の雇用情勢を調査した月次の経済指標であり、世界で最も注目される経済指標の一つです。原則として、毎月第一週の金曜日に米国労働省から公表されます。米国雇用統計が注目される理由は、①世界経済に影響を与える米国の景気動向を示す指標のため、②FRB(米連邦準備制度理事会)が重視して金融政策を決めているため、です。①は、米国の名目GDPは世界全体の約25%を占めており、世界経済へ与える影響も大きいですが、米国のGDPの約7割は個人消費です。消費行動は現在の雇用環境によって大きく影響を受けるため、米国の景気動向を示す経済指標として注目されます。②は、FRBは「物価の安定」と「完全雇用(雇用の最大化)」の2つを法的使命(デュアル・マンデート)として負っています(日本銀行は、「物価の安定」と「金融システムの安定」の2つです)。米国の場合は、物価統計と共に、雇用統計も金融政策を判断する基になる指標であるため、金融市場に大きな影響を与える経済指標として注目されます。

米国雇用統計のうち、よく取り上げられるのは、「失業率」と「非農業部門雇用者数」です。非農業部門雇用者数は、自営業や農業従事者を除き、1か月の間で雇用された人数の増減を表す指標です。雇用統計は、公表される数値の水準だけでなく、事前の市場予想との乖離も注目されます。市場予想と結果が大きく乖離した場合は、金融市場が大きく変動することもあります。

9月1日に公表された8月雇用統計では、失業率が3.8%(市場予想は3.5%)、非農業部門雇用者数が前月差+18.7万人(市場予想は同+17.0万人)と、8月単月としては全体的に堅調な結果でしたが、過去3か月の結果も加味すると、基調としては徐々に労働市場が緩和してきているとみられます。22年3月から開始してきたFRBの利上げサイクルがいつ停止するのか、まさに見極めのタイミングに差し掛かっており、雇用統計の注目度はいま非常に高まっていると言えます。

(主任エコノミスト:阿原 健一郎)


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