イベントカレンダー『各国の主要政治・経済イベント予定』(2023年1月号)

1月の各国主要政治・経済イベント

図表1
図表1

1月の政治・経済イベント「雇用統計(米国)」

雇用統計とは、アメリカの雇用情勢を把握するための経済統計です。原則、毎月第一金曜日に米労働省から前月分が公表されます。速報性が高く、世界経済の中心であるアメリカ経済の実態を表すため、結果次第で市場に大きな影響を与えます。

雇用統計は「雇用の最大化」を目標の一つとするFRB(連邦準備制度理事会)の政策運営にも影響を与えることから、注目度の高い指標となっています。雇用統計の中で特に注目を集めるのは、「失業率」と「非農業部門雇用者数」です。「失業率」は労働力人口のうち失業者の占める割合のこと、「非農業部門雇用者数」は農業部門を除く産業分野で、民間企業や政府機関に雇用されている人数のことです。非農業部門雇用者数は前月からの増加人数が注目されます。

加えて、足元ではアメリカ国内の高インフレの主因となっている賃金上昇率や労働参加率の注目度も高まっています。コロナ感染拡大以降、アメリカでは深刻な人手不足によって賃金上昇圧力が強い状態が続いています。コロナ禍をきっかけにベテラン層の早期退職が進んだこと等、労働市場から退出した人が増えたことで、労働参加率が低迷していることが原因です。FRBは急速な金融引き締めを実施することで高インフレ抑制に取り組んできました。しかし、利上げによる金融引き締め効果でアメリカ国内の景況感悪化や需要の弱まりが確認される一方で、人手不足をすぐに解消することは難しく、賃金上昇圧力は強い状態が続いたままです。直近11月の雇用統計でも、賃金上昇や雇用者数の伸びが市場予想を上回る強い結果となったことで、FRBが再びタカ派色を強める観測が強まり、米2年債利回りが急伸するなど市場が動揺する局面が見られました。FRBの金融政策の舵取りを左右する本指標に、今後も注目です。

(副主任エコノミスト:大柴 千智)


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