イベントカレンダー『各国の主要政治・経済イベント予定』(2021年10月号)

10月の各国主要政治・経済イベント
10月の各国主要政治・経済イベント

10月の政治・経済イベント「IMF世界経済見通し」

「世界経済見通し(World Economic Outlook、WEO)」とは、国際通貨基金(IMF)が発表する、世界全体・地域別・国別のGDP成長率予想や経済分析です。通常は4月・10月の年2回公表され、1月・7月には3カ月前の見通しを修正した「改訂見通し」が公表されます。国際機関という中立的な立場で発表されることから、恣意性が入りにくく客観的であると評価されることが多く、世界中から注目を集めます。

前回の7月改定見通しを振り返ると、2021年度の世界全体の実質GDP成長率予想は、4月見通しから変わらず前年比+6.0%となりました。アメリカや欧州などの先進国が上方修正された一方で、インドやASEAN諸国などの新興国が下方修正され、世界全体では据え置きとなりました。先進国は、ワクチン接種の進展と、金融緩和や財政支援等の継続による経済活動の正常化への期待が上方修正の主な要因となっています。新興国は、ワクチン確保に苦戦したことにより感染が再拡大しているアジア諸国の状況を受け、下方修正となりました。IMFは、ワクチン接種の進展状況や財政支援規模の相違によって、先進国と新興国の二極化が進むと指摘しています。また、世界的に不確実な状態が続いていることを強調しており、新たな変異株の出現などによる下方リスクは依然大きいとして、警戒感を示しました。

日本は、G7の中で唯一下方修正された国です。春先の感染再拡大を受け、緊急事態宣言が再発令されたことが主な要因となっています。すでに結果が出揃った21年4-6月期のGDP成長率では、高成長を遂げた欧米諸国との格差が浮き彫りになりました。7月以降も緊急事態宣言の対象地域拡大、延長が繰り返されたため、10月のWEOでは欧米諸国との景気回復の差が再び示されることになりそうです。

(副主任エコノミスト:大柴 千智)


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