イベントカレンダー『各国の主要政治・経済イベント予定』

経済調査部

12月の各国主要政治・経済イベント
12月の各国主要政治・経済イベント

12月の政治・経済イベント「ECB理事会」

ECB理事会とは、欧州中央銀行(ECB)の最高意思決定機関のことです。役員会メンバー6名に加えて、ユーロ各国の中央銀行総裁19名から構成され、ユーロ圏統一の金融政策を決定します。

新型コロナウイルス感染拡大以降、世界各国の中央銀行では、景気や物価を下支えするための大規模な金融緩和政策が相次ぎました。ECBでは、2020年3月に大規模な量的金融緩和策である「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を導入しました。通常の資産買い入れプログラム(APP)とは別枠で資産買い入れ額を追加することで、早期の景気回復を目指しました。

今年に入ると、景気判断のために重要視されるユーロ圏の消費者物価指数は、5月以降ECB理事会がインフレ目標とする前年比+2%を超える推移が続き、10月には同+4.1%とさらに上昇幅を拡大させています。足元でインフレが加速し、ユーロ圏各国での経済回復が目立ち始めたことや、9月にECBがPEPP資産買い入れペースの減速を決定したことで、市場では早期利上げ観測が強まっています。一方で、ECB理事会ラガルド総裁は、金融緩和縮小に対して慎重な姿勢を崩しません。ラガルド総裁は、これまでのインフレ加速は世界的な供給制約等に起因する一時的なものであり、来年中にはピークアウトするとの考えを示しています。

12月のECB理事会では、最新の経済見通しの公表と同時に、今後の金融緩和政策の方針について正式な議論がされることが強調されてきました。来年3月末に終了することが示唆されているPEPPですが、追加の緩和政策が執られるのか、利上げ開始時期はいつになるのかといった点に多くの注目が集まります。

(副主任エコノミスト:大柴 千智)

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